プレーオフで敗れ、大会を2位で終えた植竹勇太(ザ・ノースカントリーGC・23)だが、最終日は6バーディー1ボギーの67でベストスコアをマークし、大躍進を見せた。
植竹のモチベーションは人一倍強かった。東北福祉大学ゴルフ部の同期であり、北海道の同郷でもある佐藤太地が、プロテストトップ合格で日本プロ出場権を獲得していたこともあり、「絶対にこの大会で優勝して、一緒に日本プロに出場する」と、宣言していたからだ。
最終日は、首位と4打差、1アンダー5位タイスタートの植竹は、前半でスコアを3つ伸ばし、後半に入ると11、12番で連続バーディー。この時点で上村を逆転した。その後はスコアが伸び悩み、16番パー3では、4メートルのパーパットを気合でねじ込んだ。17番は寄せきれずにボギーにしてしまったが、最終18番で1メートルのバーディーパットを決めて、首位に並んだ。しかし、プレーオフ2ホール目で悔しい敗退となり、植竹の挑戦は終わってしまったが、収穫もたくさんあった。この2日間で、フェアウェイを外したのは4回だけ。飛距離はそれほど出ないが、長いコースでも、ショットを正確に打てる自信もついてきた。
昨夜は、日本プロスポーツ大賞の新人賞を授賞する佐藤に同行し、植竹も式典に参列していた。同期で同郷の仲間が授賞すると聞いて、運転役を買って出たのだ。会場では、プロスポーツの世界で活躍する有名選手がずらりと顔をそろえている。そんな輝かしいステージで佐藤の授賞を一緒に喜ぶのと同時に、自分もプロスポーツ選手になったということを改めて感じた。「今日、いいスコアが出せたのは、昨夜、プロスポーツ大賞の場に居合わせて、たくさん刺激をもらったことも大きかったです」と爽やかに話した。「もっともっとショット精度を上げること、そして、飛距離もでるようにトレーニングもすること。来年はAbemaツアーに出場できる機会もあるので、そのときには、チャンスを絶対に生かして、優勝します」。
そして最後に「日本プロスポーツ大賞で、大賞を授賞する選手になりたい」と目を細めてはにかんだ。道産子・植竹がこの新人戦で得た経験は、大きなステップになるだろう。