平均300ヤードを飛ばすビックドライブ。それが現在神村学園高校3年生の上村竜太の大きな魅力であり、武器でもある。身長182センチ、体重92キロと恵まれた体格、そしてキュートな笑顔がチャームポイント。これまで主だったアマチュア競技の記録といえば、全国高等学校ゴルフ選手権4位という戦歴しかなかった。それでもツアープロを目指した今年のJGTツアー最終クオリファイングトーナメント(QT)に初出場して、20位という成績を残している。
初日は、驚異的な8つのバーディを獲る豪快さを見せた。しかし4つのボギーでトータル4アンダー68で、1打差の2位につけた。荒削りだけれど、その攻撃のゴルフは、大器を感じさせる。8つのバーディーは、彼のアドバンテージとなる300ヤードを越えるドライバーショットが生み出した賜物だ。とはいっても「得意な70ヤードから100ヤードの距離を残して、好きな58度のウェッジでバーディーチャンスにつけることができました。明日も同じマネジメントができるといいです」と、しっかりとマネージメント力もアピールしていた。
「ゴルフ、楽しいんですよ」と、にっこり話す。「親がスコアがどうだとか言わないので、のびのびやらせてもらって感謝しています。ゴルフもほとんど自己流。こうやればいいスイングになるとか、手探りしながらですが、結果がついてくるので、ほんとに楽しいですよ」と、まさに怖いものなしの18歳だ。
「地元(鹿児島県)指宿GCで開催する来年の日本プロ選手権に、どうしても出場したいんです。絶対に出たい」と目標を定めている。日本プロ出場資格は、ファイナルQT20位という順位でも、PGAが定める出場資格には該当していない。「今年は初めてのプロテスト、初めてのQTで結果を出すことができました。だから、今年最後の新人戦は、自分の集大成として、優勝を飾りたい」。九州男児の上村は、そのケレン味のないパワフルなゴルフで初優勝を目指している。