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グランドゴールド

〈日本グランド・FR〉OBスタートから発奮!ゴルフは最後までわからないルーキー高見の猛追

2019年05月19日

 「ええっ、本当に!?」--。

 1番パー4ホールティーでは、大会応援サポーターのゴルフタレントである黒田カントリークラブさんと女子プロゴルファーの藤井かすみさんが、これからスタートする出場選手の紹介をしてギャラリーを喜ばせた。

 「グランドルーキーの高見和宏プロは、当然ワンオンを狙いますよね」。ティーエリアを取り囲んだギャラリー等から大きな拍手が沸き始める。高見は「そんなつもりはなかったんだけど」といいながら、右ドッグレッグホールのグリーン方向へアドレス向きを変えた。ショートカットを狙ったドライバーショットは、グリーン右サイドの木の枝に当たり、OBエリアに消えた。

 首位とは4打差の通算1オーバー発進。スコア次第では逆転も狙える7位タイスタートながら、早々に2打のビハインドをプラスすることになったのだった。「ギャラリーのリクエストに応えてくれた高見プロを盛大な拍手で送りだしましょう」。黒田さんのアナウンスに促された大勢のギャラリーは一生懸命に拍手し、声援を送った。アットホーム感が漂う中、「きっとこの一打でスコアを出せるはずです」と藤井プロも声援を送ると、帽子を取り、手を振って見せたのだった。

 さすがにOBショットが効いて1番ホールをダブルボギーとしたが、藤井プロが予言したように2番ホールから4連続バーディーを奪取。6、7番ホールで連続ボギーを叩いて前半35のパープレーで終える。

 サンデーバックナインに入ってからは10、12番ホールでバーディー。14番パー5ホールでは会心のイーグル奪取に成功し一気に通算3アンダーまで上り詰め、その時点で首位に1打差まで猛追したのだった。

 あと一打。最終18番パー4ホールを迎え、勝負を賭けた。高見はスタートホール同様にドライバーを強振した。ボールはグリーン手前70ヤード地点まで飛んだ。ウエッジでピンをデッドに狙える。そう考えながらボール地点まで歩を進めた。(嘘だろ!)。そう心の中で叫ぶ。ボールはディボット跡の中にスッポリ入っていたのだ。

 「低く打ち出して砲台グリーンのノリ面にワンクッションさせて乗せるしかない」。そんなショットイメージでアドレスに入ったが、ボールを思った以上に高く打ち出してしまい、キャリーでグリーンをオーバー。結果3オン2パットのボギー。通算2アンダーでクラブハウスリーダーにはなったが、後続の選手がスコアを伸ばし、優勝した佐藤剛平とは3打差の単独5位に終わった。

 「スタートでのあの(OBとなった)一打を打たなければ良かったとはまったく思っていません。逆にあの一打を放ったことでギャラリーの皆さんが18ホールずっと応援し続けてくれたし、そのお陰でバーディーもたくさん取れたと思うからです」

 「今日は大勢のギャラリーの前で、優勝争いを楽しみながらプレーできました。本当に楽しかったです。でも最終ホールの(ディボット跡からの)一打は悔やまれます。次戦では楽しいを(優勝して)嬉しいにしなければいけませんよね」。

 90%の爽快感と10%の悔恨を背に、高見は表彰式へと向かったのだった。