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グランドゴールド

〈日本グランド・1R〉ゴルフ出来る幸せをかみ締め、チーム芹澤リーダーが初日単独首位

2019年05月18日

 「自分でもビックリするスコアですよ!」

 スコアカードを提出後、芹澤信雄をこの日のゴルフをそう振り返った。

1イーグル・4バーディー・3ボギー68。この日のベストスコアをマークし、3アンダー単独首位に立った。

 ビックリしたのには、理由がある。風速5メートルの風が吹き、グリーンは硬く、速い。好スコアが出そうにないと思いながらティーオフした。だが、同組の高見和宏がスタートホールから3連続バーディーを奪う。その圧巻プレーを目の当たりにして「パープレーで回れれば御の字だと思っていたのですが、意外とやさしいコースなのかも知れない」と芹澤はコース攻略イメージを刷新。結果としては攻撃的なプレーに転じ形になったのだった。

 前半はパーオンホール3ホール中、2ホールをバーディーとした。後半に入ってイーグル奪取にも成功した。「すべては無欲でプレーしたからです。自分としてはリハビリのつもりでラウンドしている。ゴルフができること自体が楽しく、嬉しいというのが今の状態なのです」。

 股関節手術を昨夏過ぎに行い、ゴルフから遠ざかる期間が長かった。それでも今年に入ってからは歩いてラウンドができるまで戻って来た。2週前にはレギュラーツアーの中日クラウンズに参戦。尾崎直道、桑原克典、手嶋多一とともにシニア選手ながら予選通過を果たし、4日間プレーした(最終順位は70位タイ)。そのお陰でチーム芹澤メンバーのひとり、46歳の宮本勝昌が逆転優勝を見守ることもできた。弟子のVシーンに刺激も受けた。

 「18ホールをラウンドするとまだ傷口辺りが引っ張られる違和感が出るので、プレー後にそこを揉んだり風呂に入って緩和したりしています。でも歩くのが一番のケア。ラウンドを繰り返すのが最適なリハビリになるんです」。

 1959年11月10日生まれ。「まだ60歳になったわけではなかったので、出場できるとは思ってもいませんでした。この大会は数え歳60歳で出場できると知り、驚きました。出場できるだけで感謝です」。

 感謝の気持ちと無欲のプレーが単独首位の座をもたらした。「優勝できそうなスコアが明日も出たらドキドキして無欲のプレーができるかどうか、どんな結果になのるのか…」 優勝争いの緊張感を楽しめそうな余裕が、リハビリ中の芹澤にある。それが強みになるかもしれない。弟子に続くチーム芹澤2勝目達成を引き寄せられるか。注目だ。