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グランドゴールド

〈日本ゴールド・1R〉ケガや病気を克服した井上が狙う60台で「優勝」

2019年05月18日

 「グランドシニアの試合で3回はあるけれど、ゴールドシニアの試合では初めてですよ」。4バーディー・2ボギー・1トリプルボギー72でフィニッシュした井上久雄、72歳がエージシュートを達成し、首位に1打差の2位タイに着けた。

「スタートして3ホール目のOBショットを打ってトリプルボギーが先行した時には、今日はどうなることかと思いましたよ(笑)」

 しかし、次のホールから2連続バーディーを決めてスコアを取り戻し、1オーバーでハーフターンした。後半9ホールを2バーディー・2ボギーにまとめ上げてホールアウト。「今日はパットに助けられました。23パット。入れごろ外しごろの距離のパットが入ってくれました。でもね、1オーバーだったからエージシュートを逃したと思い込んでいました。パー72だと勘違いしていたので…。スコアカード提出する際にパー71だと気づいたんです(笑)」。

 

23パット中、1パットでのパーが9ホール。その理由は「アプローチショットになると、どうしても手の動きがつっかえてしまう。お陰でいやらしい距離のパットが残る。今日はそんなパットがうまく決まってくれました」と井上。決してイップスという言葉は使わず、「つっかえ病」は練習で克服するしかないと自らの体験でそう悟っている。

 5年前に大腸がんを患い、それを克服したものの、雪が残っていた下り坂を走っている時に転倒して右ひじを骨折。さらにその後、練習疲労による腰椎圧迫骨折と不慮のケガを乗り越えて、プロゴルファーを続けている。「何事も自分のベストを尽くすだけです。明日(最終日)もエージシュート、それも60台のスコアなら結果は自ずとついて来ると思います」。優勝という「結果」を視野に入れ、井上はゴールドの部・最終組で明日の午前8時40分、スタートティーに立つ。