「やったぞー!」。18番ホールでは、長めの距離が残ったパーパットを決めて、3バーディー2ボギーの71ストロークでホールアウト。思わず歓喜の声を上げたのは、73歳、71ストロークで見事エージシュートを達成したISPS(国際スポーツ振興協会)の専属契約をしている中山徹。シニアトーナメントでは、中山がギャラリーや選手に声をかけるだけで、自然と大会が盛り上がる。第1ラウンドは、半田晴久大会会長と同組でプレー。半田会長にもエールを送りながら、自身も好プレーをみせることができたのだった。
「最近ようやく糖尿病が良くなってきたので、体重が8キロ増えました。そうしたらドライバーが飛ぶようになって、気持ちも前向きになってきたんでしょうね。するとショートゲームまで良くなってくる。今までは、ドライバーのあと、セカンドでは3番、5番ウッドとかユーティリティーを選ぶしかなかったからね」。中山は、ようやく自分のゴルフができるようになってきた。最近はISPS主催のシニア競技にも参加し、調子も上がってきていた。「体調が良くなってね。ゴルフのゲーム感とか技がよみがえってきました。ホストプロとして参加する大会ですし、半田会長にいい成績でご恩返しをしたい」と言葉に力を込めた。
中尾豊健は、今年68歳を迎えゴールドルーキーとして試合に参加している。「まだまだ若いから、先輩たちより元気にプレーしないとと思って挑んでます」。5バーディー4ボギーで1アンダー71は2位タイの成績と、上々のスタートを切った。中尾はインコースのトップスタート組ということもあってテンポよくプレーができたという。「スムーズにプレーができました。雨でもグリーンの状態はいいですし、素晴らしいコースコンディション。シニアツアーで戦っているような気分でした」。
今年はゴールドシニアに3試合出場したことになるが「新人なんで、毎回挨拶忙しいんですよ(笑)。プロゴルファー人生には新人の時期が4回あるかな。先輩方とまた再会できることが嬉しいですよ」と、年に数回の交流を楽しんでいる様子。先輩方との交流も大事にする一方で、中尾は現在アコーディア・ゴルフのヘッドプロを務め、プロを取りまとめる立場でもある。
「かれこれ15年になります。アコーディア・ゴルフには、PGAのプロが150名働いていますから、その研修基盤を作るのが仕事です。自分のゴルフは週1回はやるようにして、常に手本でありたいと思っています」。
今の仕事としては、プロゴルファーに対してビジネスを研修している中尾だが「PGAで6年間、資格認証部委員長を務めていたことが、こうやって役に立っています。教えることの大切さや難しさなど、まだまだ毎日勉強です」と振り返る。中尾は150名のプロにいい成績の知らせを届けたい。