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シニアツアー

〔ISPSハンダカップ・FR〕残り2戦でマークセンを逆転!ウィラチャンがシニア賞金王

2019年11月20日

 タワン・ウイラチャンがシニア賞金王の座に初めて就いた。最終戦で13位以内に入ることで賞金ランキング1位のプラヤド・マークセンを逆転できる。そのプレッシャーからか前日はホールインワンを達成したものの、残りの17ホールではバーディーを一つも取れなかった。1イーグル・2ボギー72、28位タイ。スコアはパープレーだったが、パット不調のストレスをため、ホールアウト後は閻魔さまのように目を吊り上げ、硬い表情だったのが印象的だった。いつもの笑顔が消え失せていたのだ。

「このままでは逆転でのシニア賞金王タイトル奪取は難しいかも……。最終日はベストを尽くすしかない」。ある意味、開き直った精神状態でウイラチャンはスタートティーに立った。5ホール連続パーセーブ後の6、7番ホールで連続バーディーを決めた。8番ホールをボギーとしたが、9番ホールでバウンスバックし、前半でスコアを二つ伸ばすことが出来た。前日のパット16とは違って、パット数は13。後半に入ってもパットのタッチもラインも合致し、バーディーを狙い、カップを外しての返しパットも入ってくれた。

「初日のバーディーゼロは最終日のために取って置いたということかもしれません」。後半も3バーディーを奪い、6ホールをパーで上がった。パット数は12。パットのトータル数は25。スコア67。5位タイに急浮上し、シニア賞金王タイトルを奪取できたのだった。

 好スコアをマークしたウイラチャンは、天使のような微笑みをこぼし続けた。順位が確定するまでは喜びを表に出してはいけない。そう思いながらも、思わず相好が崩れる。スタート1組だったことから、最終組がホールアウトするまで1時間30分の間隔があった。ウイラチャンはギャラリープラザに足を運び、ランチを取って時間を潰したのだった。全選手がホールアウトし、順位が確定し、ウイラチャンのタイトル奪取が決まる。「シニア参戦2年目で日本にも随分慣れることが出来ました。今年(2勝達成)と同じように来年もプレーしたいです」。

 2年連続シニア賞金王奪取!宣言にも受け取れた。マークセン同様、手強いタイの選手がまた一人増えた。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)