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シニアツアー

〔ISPSハンダカップ・1R〕大会連覇がかかる寺西はトップ2打差2位につける

2019年11月19日

 ディフェンディングチャンピオンの寺西明が、その存在感をアピールするプレーを展開した。前半でスコアを二つ伸ばし、後半に入ってからは10番、15番ホールでバーディーパットをねじ込む。順調にバーディー数を重ねて行ったものの、試練が待ち受けていた。16番パー4ホール。ティーショットがフェアウエイ左サイドのバンカーに捕まってしまった。ボールは砂の中に深く沈んでいる。「目玉のライでした。一発で打ち出せず、4打目をピンに絡められず、おまけに2パット。ダブルボギーになってしまいました」。

 せっかく積み上げて来たスコア貯金を1ホールで二つも使い込んだ。寺西は落ち込むどころか、やる気スイッチが入った。上がり2ホールで取り戻してみせる!

 17番パー3ホールで2メートルのバーディーパットを放り込み、18番パー5では3打目をOKパットの距離に寄せてバーディーを奪ったのだった。

 「3試合前からウェッジのセッティングを変えました。以前はロフト52度と60度のセッティングでしたがロフト間隔が広すぎた。短い距離の打ち分けをしやすくするためにロフト50度と55度に変更しました。これが結構うまいこと行っているんです」。距離感が充実したことでショートゲームにより自信を持って臨めるようになった。飛距離の出る寺西にとって「このコースはツーオンできるパー5ホールが2ホールありますし、パー5で確実にバーディーを取ったなら、前後半でスコア4つはのばせる。あとはプラスアルファ―で6アンダーもある。今日はダボを打ったので4アンダーでのフィニッシュになりましたけどね」とニタリと笑った。

 明日は自身初の大会2連覇のチャンス。「こうした機会は滅多にあるものじゃない。何かの力が働いて居るようにも感じます。連覇はしてみたことがないので、ぜひ!です」。自信がある。勝てる。勝ってみせる。そんなオーラが寺西から発せられていた。黒色のセーターとパンツは、それを隠すためのように思えた。明日は、どんな勝負服で臨むのかにも注目したい。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)