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シニアツアー

【トラストグループカップ佐世保シニア・FR】秋葉 真一は賞金ランキング4位以上が目標

2019年10月20日

 勝つ時は、自分でもよくわからないことが起きるようだ。秋葉真一(54)もそう感じた。

 「ショットがよかったんですけど、なぜよくなったか分からない。朝の練習で少し力が入っているって思ったので、少し力を抜いて、バックスイングに気を付けてゆっくり振ろうと。ずっと左に行くのに悩んできて、調子がよかったわけじゃないんで。今日突然、に近い感じでした。今日だけで終わるかも」。そんな1日だった。

首位に3打差でスタートした。3番パー5で2メートルにつけてバーディーが先行したのもよかった。1オンも狙える4番(337ヤード)ではグリーン手前まで飛ばして、アプローチで寄せて連続バーディーとした。

コースでの計測で平均6.1メートル、時折突風になる北風が、まともにアゲンストの8番パー3(175ヤード)では「アイアンでは無理と思った」と4番ユーティリティーで右上のピンの狭い方、右1メートルについて「びっくりした」という。なぜか、うまくプレーが展開していた。

11番で3メートルを入れ、14番ではピン上80センチにつけた。イーブンパーからスタートして、ここまで5アンダーに伸ばした。上位が崩れているのはボードで知っていた。「16番ぐらいからドキドキしていました。18番で水巻さんが3アンダーになっていたんで」と、少し楽になったが、最終組の4組前だけに、そうなるか分からない。ホールアウトしてからは、周囲から「おめでとう」と言われても「まだ分からないし」とドキドキは続いていた。

3アンダーで来ていた最終組の倉本の第3打が入らず、優勝が決まった。その瞬間は「クラブハウスのテレビで日本オープンを見ていました」という。気持ちを聞くと「うれしいです。1年に2回、ツアーで勝ったことがないので」と話した。

あらためて勝因は何だったと思うのだろうか?「今日だけかもしれないですけど、左に曲がる恐怖感がなかった。優勝は考えていなかったので、落ち着いていた」という。4月のノジマチャンピオン杯で逆転優勝したが、それ以来、左に曲がるショットの立て直しができずにいた。朝のひらめきで力を抜いたのが功を奏したが、力を抜くのはプロでも加減は大変だ。「「丁度いい、が難しい。わかったと思っても、すぐ忘れちゃうんですよね、これが」と笑う。

 シニア5年目でツアー5勝目を挙げ、初めての同一年複数回優勝になった。シニアになって成長している心当たりは?「レギュラーの時代よりも諦めができるようになった。レギュラーのころは悪いと落ち込んで、練習して、切り替えが下手だった」という。

 これからの目標は?「賞金ランク6位が最高(2016年)なんで、それを上回って4位になりたい」。現時点で4位に浮上しているので、抜かれないようにしなければならない。「日立3ツアーズにでる」。会長推薦をする倉本PGA会長を逆転してみせたのは効くかもしれない。「今年は終わったけど、4日間大会(日本シニアオープン、日本プロシニア)で勝ちたい」。来年の課題だ。

(オフィシャルライター・赤坂厚)