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シニアツアー

〔セブンヒルズKBCシニア・1R〕息ぴったり同組相乗効果!ソクと奥田が1、2フィニッシュ

2019年09月27日

 「2人の世界」だったのだろうか。大会コースレコードの10アンダーで首位に立ったソク・ジュンユル(50)と、8アンダー64で2打差2位につけた奥田靖己(59)。プロ2人、アマ2人という第1ラウンドの組み合わせの中で、2人で合計18バーディー、ボギーなしのラウンドをやってのけた。

 口火を切ったのが奥田。インスタートの10番で「このぐらい」と指で示したの15センチのバーディーパット。続く11番ではソクが2.5メートルにつけてバーディー。13番ではともに1メートル以内で取り合ってから、バーディー合戦は熱を帯び始めた。ソクが17、18番連続バーディー。負けじと奥田が1番から3連続。ソクも2,3番で取る。

 「ソク選手はずーっとバーディーチャンス。ドライバーもマンぶりでハイティーアップ。見るとこっちがおかしくなるからスイングは見ないようにしていた」と奥田。ソクの方は「私のゴルフは右へ左へ、いろんなところに行ってもパーを拾うスタイル。ドライバーも90パーセントのスイング。それが私のイージースタイル」という。

 それでも、ラウンド中はどちらともなく話しかけていたという。「時々英語、時々日本語、ほんの少し韓国語。3語ぐらいかな」と奥田。「奥田さんは『素晴らしい』『すごい』と声をかけてくれた。『そんなことないよ』って言っていた。奥田さんもロングパット素晴らしかった」とソク。互いに褒め合いながらのラウンドだったよう。

 ソクは5番でも取り、圧巻は7番から。ともに7、8番バーディーとして最終9番。ソクが先に4メートルのバーディーパットを沈め、奥田は「ガツンって入れやがって『カップをふさぐんか』って言ってやったよ」と笑う。奥田も1メートルを入れ返し、ともに3連続バーディーでの上がりになった。「相乗効果でよかった。アマチュアの方も(2人を)応援してくれて、気分よく回れたんでね」と奥田が振り返るように、2人とも息がぴったり、リズムもぴったりという、いい1日になった。

 ソクは8月のプロテストに5位で合格した。「レギュラーに行けっていったんだよ。プロテスト5位なら大丈夫って」と奥田に勧められたソクは、笑いながら首を横に振った。今年3月の最終予選会1位になったころよりは、ソクの日本語力もアップしてきたようだ。

 最終日はまた一緒に回る。今度は2位タイの金鍾徳も同組になる。「自然体、何も引かない、何も足さない。欲張りもせず、引きずることもなく、行きたい」と奥田。日本初優勝が手の届くところに来たソクの勝負飯は「ベジタブルビビンパ」といい「優勝の意識はあまりありません。ゴルフはエンジョイすることが大事。90パーセントのスイングでエンジョイゴルフをしたい」。

最終日に向けた気持ちも、どうやら息が合っているようだ。

(オフィシャルライター・赤坂厚)