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シニアツアー

〔セブンヒルズKBCシニア〕そろそろ狙うは初優勝!”クワカツ”の忙しいシニア1年目

2019年09月26日

 レギュラーツアー2勝を挙げ、今年はシード資格を行使して、シニアツアーに4月から参戦しているのが“クワカツ”こと桑原克典。気づけばシニアツアーも半分を終え、残すところ7試合。桑原は、現在賞金ランキング12位という手堅い順位に着けている。桑原よりランキング上位の選手は少なくとも1勝は挙げているのだが、勝ち星なくコンスタントにいい成績を残しているのが、ソク・ジョンユル、盧建順、田村尚之、そして桑原という4名だ。中でも桑原は、レギュラーツアーで長く活躍した人気選手だったこともあり、先輩プロからも一目置かれている存在。だからこそ、常に周りの期待が大きい。

 「コースはまだわからないですけど、先輩方からコース攻略を聞きながら情報集めてます(笑)」。大会前日、桑原はコースでパッティング練習を続けていた。埼玉で行われた日本シニアオープンが終わってから、佐賀のコースに移動したのかと思っていたら、「実は昨日(26日)、三重県シニアオープンゴルフに参加していたんですよ。だから今日初めてのコース入りなんです」と忙しい日々を過ごしている様子。シニアツアーだけでなく、予定があえば各地区の競技にも積極的に参戦しているのだが、それには理由があった。

 「去年立ちあげた愛知プロゴルフ会の副会長と、今年からは中部プロゴルフ会の会長を任かせられました。組織の運営、そして試合の活性化を目指して取り組んでいますが、それには一人では成しえませんし、諸先輩方のアドバイスが欠かせません。新旧の交代、地域との交流を大事にしながら、ゴルフを盛り上げていきたいのです」。

 シニア入り直前の49歳、シードを失い初めてレギュラーツアーに出られない年になった。その時に「ゴルフをもっと活性化させたい。させるには」と考える貴重な時間がたくさんあった。「地元愛知でゴルフに恩返しを」ということも含め、先輩たちにも相談した結果、2018年4月に「愛知県プロゴルフ協会」を発足した。桑原の夢は10年前に消滅した「愛知県オープン」の復活。ゴルフは、プロとアマが一緒のステージで競うことができる面白いスポーツだからこそ、まずは地元オープン競技を復活させたい。昨年よりマッチ競技と団体戦の開催を叶え、いよいよ来年の3月に「愛知県オープン」を開催できることになった。

 「ひとつ大会を開催することは、本当に大変なことだと改めて実感しています。だからこそ、応援してくれているスポンサーや、ボランティア、みんなの期待にこたえたい」。会長職を通じて、今まで見えなかった役員としての役割や運営の難しさなど、新しいことがたくさんわかってきた。桑原は「ゴルフを盛り上げたいんです。そのために自分が行き切れるように、(気持ちに)そろそろ火をつけたい」。期待のルーキー”クワカツ”が、もう一歩前進するときが来たかもしれない。