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シニアツアー

【日本シニアOP/3R】上位にしがみついた清水は最終日絶好のチャンスを生かしたい

2019年09月21日

 「ずっと我慢して、我慢して。ずっと凌いで、凌いで。これで何とかパープレー。ほんとにガマン大会でした」とホールアウト後、ふーっと長く息を吐きだしたのは、清水洋一だった。この日パープレーでなんとか回り切り、3位に踏みとどまった。我慢できたのは「地元の熱いエールが心に届くから、期待を絶対に裏切れない」という気持ちがある。開催コースのある日高カントリークラブから、車で15分ほどの距離に清水の実家がある。日高高等学校の卒業生でもあり、育った地元へ恩返ししたい気持ちもはやるばかりだ。

 第3ラウンドは、4バーディー4ボギーで終えた。でもそれは簡単なゴルフではなかった。「ティーショットは落ちどころは見えないだけに、すごく大事だということがわかっています。フェアウェイが狭いから、より神経がすり減りますし」。さらに清水が我慢を強いられたというのが、グリーン上だった。「4つのボギーは、パーパットが打ち切れなかった。手が動かないというか、しっかり打てない、その先が下りだとわかると、手が動かないんですよ」と、もどかしさも募る。

 キャディを務めている地元の後輩プロゴルファー・島田隆央は「ラインは任せてもらっているから、しっかりと届くような気持ちも言葉に載せて、毎回清水さんに伝えていたつもりです。ただ、上位にいて、上位を狙いたいけど狙えなくて、我慢するしかないときに『打ってください』と伝えたところで、手が動かなくなるという気持ちは、同じプロとしてよーくわかるんですよ。だからこそ、力になりたいという思いも強くなって、終わるとどっと疲れちゃいます。こんなに毎晩よく寝られるのは初めて。いやー、僕はキャディ向きじゃないなぁ(笑)」と、ほっと肩の荷を下ろしていた。「だけど、清水さんと一緒に、日高の舞台を歩けて幸せですし、感謝しています。あと一日、清水さんがいいゴルフができるように、僕もサポートします」。

 清水が地元の大舞台で迎える最終日。「地元の声援をもらって、優勝争いがしたいです」。