通算2オーバー20位タイからスタートした伊藤正己。やる気マンマンで挑んだ1番パー4は2メートルを沈めてバーディー発進。続く2番パー3は190ヤードをユーティリティー5番で2メートルにつけて、連続バーディー。5番パー4でも2メートルにつけて楽々3つ目のバーディー。我慢が続くが、8番パー5でも2メートルにつけてバーディー4つ目。後半に入り、10番パー4では、またまた2メートルにつけられた。しかし、バーディーパットは決められなかった。伊藤は「もしかして、人生2回目のエージシュートがでるかも」という思いがよぎった。今年4に箱根カントリークラブで開催したシニアツアーのノジマチャンピオンカップ初日に、63歳で62ストロークを出し、人生初のエージシュートを披露していた。シニアツアーでは最年少で最小ストロークでのエージシュートという記録を達成していた。この時も、前半を4アンダーでプレーしていたことを思い出したのだった。
続く11番パー5は、2オンに成功。2パットで5つ目のバーディー奪取。15番パー4では3メートルの距離を沈めバーディー6つ目。ここまでノーボギーだった伊藤だが、17番パー5では1メートルのパーパットを外して初のボギーとしてしまった。最終ホールはパーでしのぎ、この日のベストスコア67をマーク、通算3アンダーで4位に急浮上した。
「こんな大舞台で、スコアが出せて、成績ボードに名前が載ってねぇ。それだけで本当にありがたいことだと思っています。感謝しかありません」。ホールアウト後は、興奮と感激で言葉にならなかった伊藤。今日はティーショットが非常に安定していたという。「今使っているPINGのドライバーが、きっと私向きなんですね。だから、こういう難コースでも、安心して挑めるっていうか」と、照れ笑い。「パッティングに関しても、多少吹っ切れた気持ちになっていますよ。入らなければ、どうにでもなれってね(笑)。今日はいい成績だったけど、明日はわからない。ノジマの時は、2日目失敗したからね」。
最終日にプレッシャーには感じたくないから、明日への期待はしないという伊藤。最終日は、ぜひとも18番グリーンにある成績ボードの上位に名前を残して、気分良く大会を終えたいところだ。