塚田好宣(50)がシニア3戦目で優勝圏内に入った。
通算3アンダーからスタート、1番でピン奥5メートルの「いいパットが決まって」流れに乗った。3番2メートルを決め、5番パー5では第2打でエッジまで運び、6番で2.5㍍を入れて連続バーディー。前半4つスコアを伸ばして、マークセン御崩れもあって混戦の上位陣に加わった。
後半は12番で6メートル、13番で8メートル、14番パー5では2オンして3連続バーディーと一時は通算10アンダーで首位に並ぶ場面もあった。17番で右のラフに打ち込んで「ライも悪くてうまく打てなかった」とボギーにして後退したが、通算9アンダーで首位に2打差の4位につけた。
「マークセンに追いつきたいと思っていたんですけど、追いつけなかった」とちょっぴり悔しそうな表情。8月の広島オープンでシニアデビューした。「打倒マークセン」が夢。米国の大学を出て、オーストラリアでプロになり、1999年に日本のプロテストに合格。レギュラー時代、アジアやオーストラリアのツアーに積極的に出場し、世界を見てきた。「タイの試合とかにも出ましたけど、マークセンには1回も勝てなかった。シニアでは勝ちたい」という。
デビュー戦5位、太平洋クラブシニア27位がシニアデビュー2戦の成績。「広島で会えなかった方もいて、先週は大御所も来たので、あいさつ回り全部が終わりました。これからは自分のゴルフをしようと」と、3戦目で早くもなじんでいる。
8日に千葉県に上陸した台風15号で一番の被害を受けた地域の1つ、山武市に住んでいる。今も電気がつかずに不自由な生活を強いられているところもある。この大会に出るため9日に家を出た。「ガソリンスタンドに並ぶ車で道がすごい渋滞だった。電車が動くというので乗ろうとして佐倉というところに出たんですけど、普通20分のところが2時間かかった。でも電車が止まったままで、引き返して千葉市へ行ってモノレールで千葉みなと駅に出て、動いていた電車に乗りました。夕方17時前に出て、東京についたのが21時ぐらい。1泊して、こっちに来ました」と、2日がかりでたどり着いた。今も「うちとは携帯電話がつながらない」という。
そんな経験をして臨んでいる大会。最終日はどんなプレーをしたい?「少し楽しみたいです」。残念ながらマークセンとは同組にならなかったが、シニア初優勝を引き寄せれば「打倒」は果たせる。
(オフィシャルライター・赤坂厚)