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シニアツアー

〔コマツオープン2019・1R〕笑顔で始まったマルちゃんのシニア初日、試練も待っていた

2019年09月12日

 50歳になった日に、丸山茂樹がシニアツアーデビューした。「今日(9月12日)50歳の誕生日を迎えました」とスタートで紹介され、大きな拍手を受けた。1番パー5の第1打はフェアウエーをとらえた。また拍手。「マルちゃん、頑張れよ~」の声も飛ぶ。丸山もにこやかに応える。

 笑顔で始まったシニア初日だが、試練も待っていた。1番第2打を右のがけ下に落とし、うまくグリーン方向に打ち上げたが、バンカーにつかまり、シニア初ボギー。続く2番ではピン下3メートルにつけてシニア初バーディー。3番でボギーとした後、4番でバンカーから寄せきれなかったが、3メートルほどのパーパットを沈めてシニア初のパーを拾った。6番ではシニア初OBでダブルボギー。山あり、谷ありの滑り出しになった。

 「ティーインググラウンド・イップス」。ドライバーが、というよりは「練習場ではいいのに、四角いティーボックスに入った瞬間だめになる」というイップス。加えて、痛めた左手親指の痛みも残っている。いまはベースボールグリップを採用している。準備が万全ではないことを本人が一番わかっている中での「シニアへの挑戦」。ただ、そうした状態を知らない人からの期待も感じている。「自分のパフォーマンスが効かないというのは、非常にもどかしい感じがしました」と振り返った。

 4オーバーでやってきた最終18番パー5。第3打でピン奥7メートルにつけた。多くのギャラリーが見守る中で決めた。そのあたりはさすがの「パフォーマンス」だった。この日は3バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの75。「ほとんど5番ウッドしか(ティーショットで)打てなかったから、まあまあじゃない」と、スコアに納得はしている。

 ドライバーは3回しか使えなかった。ティーショットを打つ際には数本のクラブをもって選んだ。OB杭が見えると「視覚からくるプレッシャー」(本人)に襲われた。「正直、最初から大したことができるとは思っているわけではないので、見ている人が少しでも喜んでくれたいいかなと。少しでもいいものを見つけられたらいいなと思って、それを探しながら頑張ります」と、話した。

「(今後のシニアツアーは)自分の中では厳しいかなと思う。勝つためにやってきた自分がいて、モチベーションの持ち方が・・・。僕の中では(プレーを)できるコース、できないコースがある」と、シニアツアーデビュー戦で現実に直面した。

 ただ、多くのギャラリーが丸山のプレー見たさについて回った。シニアでは珍しく、大声で声援も飛んだ。「ようやった」と。この雰囲気が、50歳のマルちゃんに新たなモチベーションを生み出してくれたらいいのだが。

(オフィシャルライター・赤坂厚)