「なんとか回ってきたという感じですね。ともかくプレーが速いのが驚きで、ついていくのがやっとなんですよ」とシニア選手たちのテンポに、まずは戸惑った。「無駄なことはしない。シンプルにシンプルにプレーするんです。ルーティーンにしても、ほんとに無駄は省いて、ともかくシンプルに。そのテンポに、まだついていけませんでした」と言った。
その塚田は、今大会がデビュー戦。通算7アンダーで堂々5位タイにつけたのだ。「これからですね。いろいろ勉強して、慣れて、早く打倒マークセンの夢を叶えたい。なにせ、一度も勝てていませんからね」と語る。塚田は、アジアツアーでマークセンと幾度か競っている。その勝ちたい想いが、シニアツアー参戦で、いっそう掻き立てているのだ。
同じ7アンダー、5位タイにつけた一人に、やはりシニアルーキーがいた。日下部光隆である。前半で、首位に猛追したものの追いつかずに3打差の5位タイとなった。
「1バーディだとね(笑)まあ、緊張感ある中で、憧れというか目標としている室田さんとプレーして、大崩れせず、自分のゴルフも出来たので。あともう一歩のところでパターが入らないなというのが結構ありましたね。勝つチャンスではないですけど、優勝争いできるチャンスは今後どんどん増えていくのかなと思いますね。(優勝争いは)ハーフターンでは1打差、2打差でやれていたので、そこは自信になりましたね。背中に関しては今日は大丈夫でした」と悔しそうに語っていたが、反面、自分自身がこれからの戦いの目処がついたという自信も漲っていた。
さらにシニアルーキーの深堀圭一郎も、優勝争いの渦の中に入りこもうと頑張ったが、結局、6アンダー、9位タイとなった。
「あと1歩。いい部分もありますし、中々上手くいかない部分もあります。もう一つ何かしっくりしたものがこないと上に行けないのかなと思います。広島は好きなところなので、良いプレーしたかったですね。毎週色んな課題を見つけて一つ一つクリアは出来ていると思います。目標はシニアOPです。本当にあと一歩」と、深堀も光明が見えかけているというのだ。
この日、幸先のよいバーディ発進したものの前半は、このバーディ1つだけ。さらに後半も、2バーディ、1ボギー。そのひとつのボギーも最終ホール。パーで締めくくれば、5位タイとなる場面だった。
「あと一歩」という言葉の裏には、バーディチャンスを何度も逃す場面と、猛追できるエンジンとギアの使い方かも知れない。このシニアルーキー3人の活躍は、今後、見逃せない。