NEWS
シニアツアー

〔ファンケルクラシック・FR〕田村は悔しいプレーオフ敗退、ツアー後半に向けて照準を絞る

2019年08月25日

 棚からぼた餅をキャッチし損ねた--。田村尚之にとっては、そんな最終日だったかも知れない。

 通算3アンダー・8位タイからスタートした田村は2番、3番ホールでの連続バーディー後、9番パー5ホールでイーグル奪取してみせた。ピンまで残り260ヤードの2打目を3番ウッドで打ち、ピン横1・5メートルに着け、一発で沈めたのだ。

「(痛めた古傷の)背中やわき腹が思わしくなく、ツアー前半は思うような成績が挙げられずにいました。思えば去年と同じで8月くらいから調子がショットの調子が上がって来るみたいで…。でもパットがね(思わしくない)」

 それでも、このイーグル奪取でプレーにリズムが出始めた。切れのあるショットでパーセーブを続ける。17、18番ホールでの連続バーディーで通算9アンダーにまでスコアを伸ばした。1イーグル・4バーディー66。クラブハウスリーダーとして後続組のプレーを待った。

「9アンダーではプレーオフには残れそうもありません。今日のゴルフは上出来でしたよ。これからツアーは、まだメジャー大会もありますし、ショットが良くなって来ているので、ホッとしています。ツアー後半戦で、(古傷の)痛みが出なければ昨年もパーオン率1位になったこともあり、楽しみです。ようく自分の季節が来るかな、と思うので、これからも頑張りますよ」。そう言い残して、ロッカールームに田村は向かったのだった。

 しかし、田村の予測は外れた。通算9アンダーがトーナメントリーダースコアとなり、ソク・ジョンヨルとプラヤド・マークセンとのプレーオフ決戦に田村が加わることになったのだ。

 「(最終組のプレーを)全然見ていなかったので、(プレーオフと)聞いた時には伊澤君とソクとの3人かなと思ったんですよね。そうしたらマークセンとだったから、あれ?と思って。でも日本人選手が自分だけだったから頑張りたかったんですけどね。やっぱり18番パー5ホールでのプレーオフ、しかも(飛ばし屋の)マークセンととなると不利だからちょっとしんどかった」と田村は予期せぬプレーオフを振り返った。

 同1ホール目でバーディーを逃したソクが脱落。同2ホール目では両者ともに再びバーディーパットをねじ込む。同3ホール目。マークセンは三度2オンしたものの、田村は3打目でグリーンキャッチ。バーディーパットは入らず、バーディーパットを決めたマークセンに軍配が上がる。「何とか(プレーオフ)2回はスプーンで打って頑張った(2オン成功)のですが、しょうがないです。パットが全然入らず、ショットだけで何とか戦った感じです」。

 それでも田村は今季自己ベスト2位タイで、賞金ランキング36位から12位へ大きくジャンプアップ。シード圏内に入った。来週は地元開催の「広島シニア」。「好結果を自信にして迎えられるのは嬉しいです」と気持ちを切り替え、笑顔を見せた。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)