「体力不足です。はっきり言ってシンドイです」。流れる汗を拭いながら、寺西明は顔をしかめながら本音をこぼした。
通算3アンダー5位で出た寺西は、前半を3バーディー・33で回り、首位に1打差まで肉薄した。しかし、その後はバーディーを一つも奪えない。後半は1ボギーの37。通算5アンダー・4位でフィニッシュ。首位とは4打差で最終日を迎える。
「昨日のラウンド後から左足が痛み出し、ストレッチしたり湿布薬を張ったりしてケアしたのですが、治まりませんでした」と悔しがる寺西。42、3歳の頃に左足半月板を損傷し、その古傷が突然ぶり返してしまったのだ。
「ダウンスイングで左足を踏ん張れない。だから体をうまくターンできず、手打ちスイングで誤魔化すしかありませんでした。最終ホールのパー5も最初からツーオンを諦め、3打目を勝負に懸けたのですが、パーでした」。
この日のパット数29。アプローチショットとパットで凌ぐ、耐えるラウンドだった。「明日は一つでも順位を上げたい。自分のゴルフに徹して自分に勝ちたいです。今日の後半のゴルフは負けでしたからね。最終組の一組前でのラウンドですから緊張すると思いますが、何としてでも自分に勝てるように頑張ります」。
前半も後半9ホールでもアンダーパースコアを出して見せる。成績順位よりも「自分に勝てないことが一番辛い」と唇を噛む。悔しさが左足の痛みを打ち消す特効薬にするしかない。