通算5アンダー・首位タイ発進の伊澤利光が、前半でスコアを2つ伸ばし、後半の10番ホールからは3連続バーディーを決めた。この時点で通算10アンダーの単独首位、2位には2打差を着け、残り6ホールで独走態勢を固めるかと思われたが、足踏みを強いられた。15番パー4ホールでは2打目をグリーンオーバーさせ、3打目アプローチを1メートル弱に寄せたものの、パーパットがカップに蹴られてボギーとなった。16番パー4ホールでもパーオンショットの距離感を誤り、グリーンをダイレクトでオーバーしてしまう。
ボール位置にたどり着くと、伊澤はボールを躊躇なく拾い上げ、キャディーにボールを拭いてもらった。この日は、プリファードライのローカルルールが出されていたからだ。しかし、伊澤の3打目地点は芝が短かったものの、ボールを拾い上げ、拭ける「ジェネラルエリアのフェアウエイの長さかそれ以下に刈られた部分」ではなく、ラフだった。そのため「ボールを拾い上げてしまった」(ゴルフ規則1.3c(4))と「拭いてしまった」(同9.4b)ことでそれぞれ1罰打となるが、ゴルフ規則/複数の規則違反に対する罰の適用14.1cによって1罰打が課せられたのだった。
「今日はティーショットが良くなかったですね。それにボールをお触りしての罰打もありましたから」と言って伊澤は笑った。「やっちゃったものは仕方ありません」自分のうっかりミスを笑い飛ばした。3連続バーディー奪取後、スコアを二つ落としてのフィニッシュ。6バーディー・3ボギー69。通算8アンダー・2位タイという結果になってしまった。
「風を読み切れず、それに中途半端な距離が残り、大きめのクラブで軽く打って距離調整したのが(グリーン)オーバーになってのボギー。しょうがないです。でも、ゴルフは全体的に悪くありません。(首位とは)1打差ですから優勝を意識し、優勝を狙って行きます」と断言してみせた。
最終日最終組でプラヤド・マークセンとのラウンド。「一緒に回る選手を意識するなんて…今まで一度しかありませんでしたよ。2003年のマスターズ予選ラウンドでタイガー・ウッズとの同組が決まった時だけですよ」。自然体ゴルフが信条でもある伊澤が、勝ちを意識してさらにスコアを積み重ねられるか。罰打の借りを返して余りあるプレーを期待したい。