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シニアツアー

【熊本・阿蘇シニア】シニアツアーデビュー戦のデーブこと大久保博元 作戦は『最後まで諦めない』

2019年08月02日

 明日からの本戦を前に行われたプロアマ大会。まるで水を被ったように体中から汗が滴り落ちる。しかし、標高500メートルに位置する大会舞台・コスギリゾート阿蘇ハイランドゴルフコースは、その名の「リゾート」どおり、清々しい風が吹き渡っていた。

「僕にとって今日は日本オープン、明日の第1ラウンドは全英オープン、明後日の最終ラウンドはマスターズです」。試合に臨む気持ちをユニークな表現で話したのは、この大会が自身にとってシニアツアーデビュー戦となるデーブこと大久保博元だ。

 2005年、ティーチングプロとしてPGAに入会し、その後はツアープロを目指してプロテストを受験したり、ツアー出場予選会に挑んだりして来た経緯がある。「どれも失敗に終わりましたが、自分にとってはとても良い経験を積ませて頂いたと思います。特に勉強になったのは、ティーチングプロになるための講習会でした」と大久保は振り返る。

 08年から再びプロ野球界にコーチとして復帰し、若手育成に努めた。「どの選手に対しても平等に指導し、その周りにいる選手にも同じように教える。選手に焼き餅を焼かせないように声を掛ける大切さを講習会で学びました。コーチングの奥深さを学べて本当に良かったと今でも思います」。選手と食事に行く際は白色のウエアに着替えて出掛けたそうだ。「たとえば赤色では食事相手が身構えてしまう。白色は相手が受け入れやすい。体育の先生が白ウエアを着用している真意を勉強させてもらっていたことが、プロ野球コーチでも役立ちました」と大久保。

 およそ10年のブランクを経てのプロゴルフ界復帰。「最後のつもりでPGAプロテストを改めて受験して失敗に終わりましたが、2日間1オーバーで回れました。かつては飛ばしのデーブでしたが、今はスコアでギャラリーを喜ばせられると思っています。明日から2日間の作戦は『最後まで諦めない』です。ベストを尽くしてギャラリーを喜ばせます」。シニアデビュー戦の意気込みを熱く話す大久保の頬を、汗が流れ落ちた。リゾート阿蘇の真夏日を猛暑日に感じさせる熱血36ホールプレーが楽しみだ。

(PGAオフィシャルライター 伝 昌夫)