今大会の前週に開かれたレギュラーツアー「日本ゴルフツアー選手権」。その第2ラウンド11番ホールで右足を痛め、途中棄権した谷口徹が、今季のシニアツアーに初参戦だ。昨年は日本シニアオープンの「シニア1試合」だけの出場に留まったのには、理由がある。同年5月の日本プロゴルフ選手権を制し、ツアー通算20勝目をマーク。日本タイトル奪取によって長期5年シードを獲得したことで、レギュラーツアーに「あと5年戦える」(谷口)からだ。
スイングのバージョンアップを目指して今オフは新たな練習メニューを加えたり、様々な試みを試したりし続け、ツアー開幕で実践投入した。4戦して2戦しか予選通過を果たせず、最高順位は中日クラウンズでの39位タイ。「ケガもあったし、調子も良くなかったこともあって、(日本ゴルフツアー選手権の棄権で)休めたのが良かったのかも知れません」とコース入り後、自身のゴルフの復調ぶりを感じている。
シニアいる2年目ながらまだ2戦目とあって「新鮮(な気持ち)というよりも(初優勝の)プレッシャーの方が強い。何よりもレギュラーツアーとは違って自分よりも年上の選手ばかりで、居心地が良くない(苦笑)。気遣うことばかりで、(シニアツアー)慣れが必要かな」。
大会初日は午前9時50分・1番ホールスタート第9組。中嶋常幸、崎山武志との同組ラウンド。「そりゃあ、試合となったら気遣いはしませんよ。最低でも優勝争いができる位置にはいるようにしたいし、この試合をきっかけにしてレギュラーツアーに持って行きたい」と谷口は言い切った。
良いきっかけとは、シニア初優勝を言い換えた言葉。最終日最終ホールのグリーン上で、谷口が右手拳を突き上げるあのガッツポーズを初披露するのか、期待が集まる。
(PGAオフィシャルライター 伝 昌夫)