対照的なスタートをした2人が首位に立った。冨永浩(58)は3連続バーディー発進からボギーなしの6アンダー66をマーク。川岸良兼(52)は5番まで2オーバーながら6番から4連続バーディーで盛り返し、最終18番でイーグルを決めて同じく6アンダーとした。1打差で昨年この大会でシニアデビューした伊澤利光(51)ら4人が追い、昨年優勝の山添昌良(51)ら8人が2打差につける混戦模様になった。
「ゆとり」はやはり大切だ。
10番パー3からスタートの冨永。「朝、いきなりショートで1.5メートルにつきまして」と、スタートホールのバーディーで勢いがついた。続く11番で1メートルにつけ、12番では「8メートルぐらいのが入ってくれた」と3連続バーディーで気分を良くした。
「余裕ができたのが、今日のスコアの要因」という。いきなりできた3つの貯金が、この日はボギーなしの好循環をもたらした。「ボギーでいいやと思ったホールもあったけど」と振り返り、例に挙げたのが、5アンダーで迎えた5番。グリーン右に外して、アプローチをオーバーして3メートルの下りのパーパットを残した。「1つぐらいボギーはあるよな、と思って打ったんですけど、入っちゃったんです」と笑った。
テレビの解説者としても活躍している。「スコアが出そうなコースなんですけど、無理をしたら危ないホールもある。解説の時は『無理してはいけない』といっているけど、スコアが悪いと無理してしまうのが我々なんですよね」という。
今季は2年ぶりにシード選手としてツアーに出場できるのも、気持ちを楽にしている。3戦目の台湾での富邦仰德シニア盃で3位など「今年は(開幕から)いい感じでゴルフができているんです」と、3戦終了時の賞金ランクで10位につけているのも、心のゆとりのおかげか。
この大会に優勝すると、次週6月7~9日に千葉・成田GCで行われる米国シニアのチャンピオンズツアー「2019 Mastercardジャパン選手権」への出場権が得られるが?
「実は、そのテレビ中継の解説のオファーがありまして…。優勝したら出られるって知らなかったもので…。選手で出れたらいいですよね」と苦笑いする。
そのためにはあと2日間、どう戦うか。「今日は、ピンについたところを確実に入れられた。風も気になりましたけど、分からないときは安全に行きました。試合でも、プロアマでも、いつでも、自分にできることをしっかりやるしかないんです」。その「解説」通りにやるには焦りは禁物、気持ちにゆとりを持って行きたい。
(オフィシャルライター・赤坂厚)