昨シーズンは開幕戦の金秀シニアでシニアツアー初優勝を果たし、本大会で早くも2勝目をマークした山添昌良(51)。昨年トーナメントリーダーで迎えた最終日、同じ組で回った久保勝美(56)に一度はトップの座を奪われながらも最終ホールで見事逆転し2勝目を飾ったのだった。1打ビハインドで迎えた最終ホールの心境を改めて伺うと「沖縄(金秀シニア)で勝っているので、どこか自分の中で落ち着いている自分がいました。すごい冷静だった」とその時の状況を振り返った。『経験がものを言う』とはまさにこのことなのだろう。「レギュラーツアー時代は頑張っていろいろ考えて試合に臨んでいたけど結果に出せなかった。遠回りをしたけど『まぐれ』でも勝つことが出来ると分かったのがすごく自信になった」。23歳でプロテスト合格、その後レギュラーツアーには出場したものの、最も賞金ランキングが良かったのは1998年の106位。シニア入り2年目で賞金ランキングも8位と好成績を収めた昨シーズン、優勝経験が山添のゴルフを迷いから自信へと変化させた。
迎えた今シーズンだったが「ちょっと違う(昨年と比べて)。あーでもないこうでもないとやっています」と3試合を終了しまだ波に乗り切れていない状態が続いている。オフは「仕事もあるしいつもと一緒」同じリズムで過ごしてきた。しかし秘策はあった「勝てたコースは良いイメージが残っているんです。『ここのホールはこんなイメージで打ったらここまで飛んでたな』とか。『ここはあの風だからあそこに打とう』とかどんどん良いイメージが沸いてくるというか思い出す。ここにきてもそういうすごく良いイメージですね。悪いイメージは一切ないんです」優勝経験が与える副産物といえるかもしれない。ホールに立つごとに昨年脳裏に刻まれたショットイメージがフラッシュバックのように蘇る。
「簡単に勝てるとは思ってはいませんが、勝てないとも思っていないです」と目指すは連覇。「好きなコースなので気持ちよくポジティブに。でも気負わず次の試合につなげていきたいです」と闘志を秘めた。