ツアー出場は、昨年4月下旬の中日クラウンズ以来となるのが、シニア開幕戦でシニアデビューする桑原克典。1969年4月4日生まれの50歳、ピッカピカのシニアルーキーだ。同期の手嶋多一と練習ラウンドを熟し、クラブハウスに戻って来た所で取材インタビューを依頼すると、快く応じてくれた。
「ツアートーナメントには約1年ぶりの出場になりますが、ツアー外の小さな試合には出ていたので、試合感に対する不安はそれほどないつもりです。
でも、かつてツアーで一緒に戦っていたトップ選手やツアーメンバーたちの顔を久しぶりに拝見すると、気持ちが入って来ますね、さすがに。ですから、明日の初日からは(気持ちが)入り過ぎないようにしないといけませんね(微笑)」
日焼けしている桑原の顔が、シニア開幕戦に照準を定めて来た証のように思えた。自身のシニアデビュー戦に向け、今オフはレギュラーツアー若手選手とともに2回のトレーニングを熟し続けた。「階段ダッシュや上り下り、人を背負っての階段上りは流石にきつかったですね。あと素振りも欠かさずするようにしていました」と桑原。
実は今季から中部プロゴルフ会の会長に就任し、プレー以外の仕事に追われ、多忙となった。それだけに、ボールが打てない日でも素振りをして、スイング感を失わない努力を積み重ねて来たのだ。
開幕戦の大会舞台・かねひで喜瀬カントリークラブは2017年、日本プロゴルフ選手権を開催した実績もある名門コース。「その時に僕も出場しましたが、日本タイトルが懸かった大会だけにコースセッティングが厳しかった。それと比べたら、(練習ラウンドしてみて)そう難しくは感じませんでした。しかし逆にそれが、『攻めなければ』の気持ちにさせられるので…マネジメントに苦労しそうです。とにかく今季は賞金シード奪取が第一目標で、賞金ランキング10以内に入りたいです。優勝?それはまだ先の話ですね」。
謙虚な性格あってのコメントだが、いざ試合が始まった勝負師の目が蘇るはずだ。