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<新人戦房総カントリー杯・FR>青木がプレーオフを制し嬉しいプロ初優勝

2019年12月20日

 最終ラウンドは、首位に2打差2位からのスタートだった青木尉。3番パー5、6番パー5でバーディーを重ね、フロントナインを2アンダーでターンした。12番パー5でも確実に2オン成功し、3つ目のバーディー奪取。王手をかけたと思われたが、14番パー3では、ガードバンカーから寄せきれずにボギー。続く15番では、7メートルの距離を沈めスコアを戻す。しかし、試練は17番パー4で起こった。ティーショットがフェアウェイ左サイドの木に当たり、ボールは大きく弾かれた。3オン2パットで痛恨のボギー、この時点で4アンダーだった。最終18番ホールに向かう途中にある速報のスコアボードを見て「1組前でプレーしていた黒﨑さんと4アンダーで並んでいたことを知りました。だから、絶対にバーディー以上を取るしかない」と、決意を固めた。

 18番ホール。ティーショットはフェアウェイに置いたが、セカンドショットがダフってしまい、ボールはグリーン手前20ヤードほどの花道に落ちた。だが、この2日間ショートゲームには自信があったから怖くなかった。アプローチをきちんと寄せてバーディーフィニッシュ。黒﨑もバーディーでホールアウトしていたため、通算5アンダーで並んび、勝負はプレーオフにもつれこんだ。

 人生で3度目となるプレーオフだった。2度目のプレーオフは高校3年生の時の九州地区春季大会で、緊張と疲れからかプレーオフ1ホール目のティーショットを大きく左に曲げてOB。念願の初優勝は叶わなかった。「そんなミスは二度としない」と、プレー中も自分を鼓舞し続けた。

 黒﨑とのプレーオフ中、何ホールか微妙な距離が残ったが、得意なパッティングでしのぎつづけた。迎えた6ホール目で、先にストレートライン5メートルのバーディーパットを沈めた。後手の黒﨑が3メートルのパッティングを外し、青木の優勝が決まったのだった。

 「ドライバーが良かった。ほとんどフェアウェイを捉えることができました。もちろん運もあって、上手な黒﨑さんに勝てたのだと思いますし、それ以上の気合も必要でした」と振り返った。来年の目標を聞くと「まずは、プロデビュー戦となる日本プロで予選通過したいです」と目を輝かせる。「それまでに、下半身とメンタルのトレーニングをしっかり行って、基礎体力をしっかりつけたい。そうすれば、ファイナルQTまで進出して、ツアーへの道が開けるのだと思います」。

 青木には、嬉しいプロ初優勝を伝えたい人たちがいる。同郷出身の友人で、昨年新人戦覇者の上村竜太。さらに所属コースの夜須高原カントリークラブでお世話になっている先輩プロで、昨年プロテストに合格した小林忍もその一人。「プロ入りも喜んでくれましたが、この日本タイトルの優勝も喜んでくれると思います」。2年連続で、鹿児島男児が新人戦で大輪を咲かせたのだった。