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【TCPシニア・FR】今日のゴルフを支えた師匠の言葉 橋口浩一が大会初優勝

2019年10月25日

 第15回PGAティーチングプロシニア選手権大会の最終ラウンドは、冷たい雨と強い風の中、橋口浩一(53・B)が昨日のトップの座を守り切りきり、トータル1オーバーで大会初優勝を果たした。2位には1打差の2オーバーで金城和弘(52・TP-A)、3位タイには高崎龍雄(55・TP-A)石川剛治(52・A)、吉成文伸(53・TP-B)、渋谷直和(50・A)が入った。

 午後から雨が強くなるとの予報から、最終日のスタートは7:00からのフルショットガンでのスタートが決定。36ホールでの決着を目指してのことではあったが、気温17度、風速7メートル、朝から降りだした冷たい雨と風は選手の肌を突き刺し、競技はサバイバル戦の様相を呈した。

 「今日はバタバタの一日でした。余裕をもってラウンドすることを心掛けましたがカツカツギリギリでしたね」橋口浩一(53・B)は悪天候の中1バーディ、3ボギー、2ダブルボギーと耐えるゴルフを強いられた。ドライバーが右に行きがちだったものが雨と風、さらには寒さによる「手のかじかみ」によって昨日よりも増してコントロールを失っていたのだった。「良いところから打てませんでしたね。調整がうまくいかなかった」それでも「悪天候なのは分かっていたので1打でもスコアを伸ばそうと思ってました。中止になることは意識していなかった。18ホールをやり切る思いでした」と優勝を目指しラウンド中は自らを奮い立たせていた。

 ゴルフを始めたのは13歳、中学3年生の時「父親の勧めで始めました」高校生になると学校の近くの練習場で毎日練習に明け暮れた。週末は父親とのラウンド。高校を卒業するとプロゴルファーの道に進むべく南山CCに研修生として入る。2年後には練習場連盟の研修会に入会しプロテストを受験するも合格には至らなかった。30歳で「プロ資格だけは取っておこう」とティーチングプロとして入会。それでも38歳まではQTに参加しトーナメントへの出場を諦めることはなかった。競技選手としてのこだわりから、資格がありながらもティーチングプロ選手権には37歳の時に一回出ただけだった。しかし50歳を迎えたことを機にこれまで敬遠していたティーチングプロシニア選手権への出場を決意する。デビューとなった2016年に初出場をするも優勝争いをしながら2位に終わる。その悔しさから毎年出場を重ね今年3年越しのリベンジを果たしたのだった。

 会見の最後に「師匠の言葉が最近やっと理解できるようになったんです」3年前から西川貴祥プロを師匠として仰ぎ忠実に実行をしてきたという。師匠の教えは「ゴルフは良いときもあれば悪い時もある、でもどんな時でも下を向いて歩いてはいけない。上を向いて歩きなさい」今日のゴルフを支えたのは全てがこの言葉だった。厳しい条件となった一日を耐え忍ぶことができた。師匠の言葉を胸に刻みもぎ取った優勝。「師匠に早く報告をしなくちゃ」と笑顔一杯で会場を後にした。