通算イーブンパー・14位タイ発進の深堀圭一郎が、スタート1番ホールでのアクシデントを見事克服し、会心ゴルフを展開した。前日を下回る気温14・4度。「開聞おろし」の冷たい風が吹くコースコンディションの中、前半でスコアを二つ伸ばし、後半は10、11番ホールで連続バーディーを奪い、最終18番パー5ホールでチップイン・イーグル逃しのバーディーでフィニッシュ。5バーディー・ノーボギー67で回り、通算5アンダーのスコアカードを提出した。この時点でクラブハウスリーダーとなり、後続組のプレーを見守った。だが、4組後のG・マイヤーが通算6アンダーでフィニッシュし、深堀のシニア初優勝は次戦以降に持ち越されたのだった。
1番パー4ホール。同世代の谷口徹と塚田好宣との同組ラウンド。気心を知っているだけに楽しくプレーできると思っていた深堀だったが、ドライバーでのティーショットにアクシデントが起きた。「空振り寸前のチョロが出てしまって…。ボールの頭を掠めただけでキャリー30ヤードほど、2打目はピンまで実測245ヤードも残っていました。(同組)3人で笑いながらボール地点へ向かいましたね(笑)」。
ボールに記したオウンネームが擦り切れていた。そんなミスショットを見事リカバリーし、パーセーブでうまく切り抜けられたことで、プレーの流れをしっかりつかんだ。
「これまでは大事なパットを入れられず、流れを切ってしまっていました。今週からパターの握り方を少し変える微調整をしたら、パットの打ち方の悩みがなくなりました。今日のスコアはパットのお陰です」。ウィーク気味にグリップするようにしたことで、インパクト以降もスムーズにパターヘッドを振り出せるようになった。「2メートル強の苦しいパットが入ったり、カップオーバーの返しが入ったりして凌ぐことができました」。
最終日の猛チャージもシニア初優勝にはあと1打及ばなかったが、来週のシニア最終戦の成績次第では賞金ランキング4位以内を目指せる同8位にジャンプアップした。
「賞金ランキング4位以内に入ったならアメリカのシニアメジャー大会に出場できますが、尾崎直道さんに高いフィールドでモチベーションを高め続けることを忘れない方がシニアツアーでも良いゴルフが出来る。『米シニアツアーに行け行け』とシニア入り前から勧められています。賞金ランキングの他にも出場予選会から挑む方法もありますよね。コロナ禍で大変な時代ですけど、そういうこと(米シニア挑戦)を思いながらプレーして行きたいです」。
まずは、シニア初優勝を手土産に挑みたい。この日の猛追ゴルフ、強風下でのノーボギーゴルフが深堀のモチベーションをアップさせたはずだ。来週のシニア最終戦での楽しみが倍加した。