「
いわさき白露シニアゴルフトーナメント
」の第2ラウンド。コースは強い北風が吹き抜け、選手のスコアメイクを阻んだ。首位スタートの手嶋多一(52)はスコアを2つ落としたが、通算5アンダーで単独首位。1打差2位には東聡(60)さらに1打差3位タイに川岸良兼(53)、溝口英二(55)が続いている。
7アンダー単独首位から発進した手嶋多一に試練が待ち受けていた。強風、そして風による体感気温の低さ。長袖の防寒用ウインドブレーカーは体の可動域を狭めてしまう。
「普段よりも服を多く着込むから、動き(スイング)が小さくなるというか、早く振れなくなるというか…そのために何回かミスショットを打ってしまいましたね」。
2番ホールでボギーが先行し、6番ホールでもボギーを叩く。7、8番ホールでの連続バーディーでスコアを取り戻したものの、手嶋にとって「鬼門」の9番パー4ホールでスコアを落としてしまう。
「9番ホールは毎日バンカーに捕まっていますね。ティーショットはフェアウエイ右サイドのバンカー。2打目は、そのバンカー前方のバンカー。3打目はグリーンのガードバンカーと3つのバンカーを打ってしまいました。バンカーセーブが出来ていないし…」。
強い風によってショットが乱れ、スコアメイクに苦しんだのだろうか。「パットが難しかったです。風で(パットラインの)曲がる方が変わってしまうし、落ち着いて打てない。打ち急いでしまう。ショットよりもグリーンでのパットの方が嫌でした」。
後半に入ってからは、風向きがアゲンストのホールがいくつかあったものの「ボギーを打たず、それこそバーディチャンスが何度かありました。でも、一つもモノにできませんでしたね」。
3オーバーまでスコアを落としてしまった際には、「心が折れそうになりました」と手嶋。17番ホールに設置されたいスコアボードで順位を確認した。「4アンダーでも一番良い(首位な)んだ!」と元気を取り戻したという。最終18番パー5ホールでバーディーを奪うぞという、強い気持ちが湧いた。そしてバーディーフィニッシュ。3バーディー・3ボギー・1ダブルボギーの74。通算5アンダーに踏み止まり、首位の座を守り切った。
「プレッシャーと風は、受けて立たないと仕方ないです。今日、風に負けたくせに偉そう……受けて立てなかったけど(笑)。明日はもっと寒いようですから、バーディー先行でボギーを打たない様に、ずっと攻められればという感じです。それより(スコア誤記入での)失格が怖いですよね」と自虐ネタで手嶋は笑い飛ばした。