今季、最もブレークした選手。シニア初Vに最も近い選手とシニアツアーメンバーから目されている岡茂洋雄が、6バーディー・1ボギーの67でフィニッシュ。首位と2打差の2位タイと好位置に着けた。
今季は日本シニアオープン2位をはじめ、前試合のコスモヘルスカップシニア2位タイ、日本プロゴルフシニア選手権3位など出場6試合でベストテン入り5試合を数える。ベストテン入りの確率は83.33%だ。
「バタバタしながらプレーしましたが、何とか良いスコアにまとめられました。課題のドライバー(ショット)は、フェアウエイが広いので、(2打目で)何とかパーオンすることが出来ました」と岡茂は振り返る。
パー3ホールを除いた14ホール中、ドライバーを手にしたのは12ホール。「ドライバー使わなかった2ホールは、ドライバーで打ったのでは突き抜けてしまうホールと、確実にレイアップした方が有利なホールです。あとのホールはすべてミスショットを恐れず、開き直ってドライバーで打ちました」。練習場や練習ラウンドでは豪快なドライバーショットが打てるものの、いざ試合となるとまともに振れなくなってしまう。ドライバーイップス。この病に見舞われてからは、ティーショットで3番ウッドやユーティリティーを多用していたのだ。
「(ダウン)スイングが詰まってしまって、クラブヘッドを加速させられなくなるんです。でも、アプローチとパットは仕上がっているので、ドライバーショットを(練習ラウンドのように)打てるようにならなくては来年がない。そう考え、積極的にドライバーを手にするようにしました。ターゲット方向を見ず、あの辺に打てればOKと決め、構えたらあとはただドライバー振るだけ。今日は100点満点中、60点ですね」。
イップスはメンタルが起因していると言われる。だが、岡茂はこう解説した。「技術の問題です。技術さえあれば、あとはどんな精神状態で打てるかだけです。ある意味、爆弾を抱えながらゴルフをしているようなもので、(ドライバーショットが曲がり)バタバタして流れが悪くなったら簡単に75は叩きますよ」。
大叩きする可能性がありながら、あえてドライバーでティーショットする覚悟を決めている。来季へのさらなる飛躍を求めて--一試合でも早くシニア初優勝を飾りたい一心からだと思えてならない。
(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)