野仲茂(50)が、シニアデビュー戦でボギーなしの5アンダー67で回って、2位グループに入った。デビュー戦、緊張する選手も多いが「まったくなかたtです」と、インスタートの10番パー5での第1打はフェアウエーをとらえ、第2打でグリーン手前まで運んでアプローチを寄せてバーディーで、シニア人生のスタートを切った。
その後もショットが好調で「あまりグリーンを外さなかったかな。3回か。でも、アプローチはOKに近かったので」と、大きなピンチもなく、1日を乗り切った。「ティーショットでフェアウエーをキープし、ショートアイアンで乗せる。グリーンが小さいので乗ればバーディーチャンスになった」と、理想的な展開だった。
10月9日に50歳を迎えた。今季デビューは終盤戦になるが、3月の最終予選会に出場して3位と出場権を得た。ところが予定していた10月の試合がコロナ禍で中止となり、デビューがここまで延びた。「試合は残り少ないけど、デビューしたかったんです」という。レギュラーツアーでは2013年にシード権を失った後、チャレンジツアーに出場してきた。試合が全くなくなった昨年はデビューに備えて、所属する横浜CCで練習を積んできた。
大会は無観客、感染防止でキャディーはつかず、カートを使用したセルフでのプレー。「ギャラリーがいなくて試合の感じがしませんでしたけど、周りにいるのは名前のある先輩ばかり。あまり顔を知らない若い選手たちとやるよりも、シニアの方が落ち着きますね」と笑う。試合の前々日からコース入りし、先輩たちへのあいさつ回りをしてきた。横浜商大付高で、真板潔が同窓の先輩で、レギュラー時代から「お世話になっていて、シニアになってまたお世話になっています」という。
デビュー戦優勝のチャンスもある。「勝てればうれしいですけど。今の目標は、来年の最終予選会に出られる賞金ランク50位、次がシード権30位。でも、若い方が有利だとは思います」。そんなコメントをしているときに、横を通った同じく2位の水巻が笑いながら「お、新人だ。明日はいじめてやろう」とからかう。上々の滑り出しを見せたシニアデビュー戦。遠慮はしないで「若さ」をみせたい。
(オフィシャルライター・赤坂厚)