「厳しかった」。最終日2位スタートの岡茂洋雄は、ホールアウト後一言つぶやいた。最終ラウンドは、1バーディー3ボギーの72ストロークだったが、80を打つ内容と紙一重だった。
7番パー5ホールは、なんとか1メートルにつけて唯一のバーディー。ボギーとした3ホールは「苦しい状況が次々と襲ってきた中で、なんとか必死にボギーで終えられた」。最後まで我慢が続いた1日だった。
イップスに悩むドライバーは、14番パー5ホールで1度だけ使用した。14番ティーは1番、18番ホールに隣接していて、多くの関係者が観戦。プロゴルファーとして魅せたいと、逸る気持ちが出てきたが「リハビリを兼ねて使用してみたけど、やっぱりダメでした」。プレッシャーのかかる場面で使ったドライバーショットは、思い描いていたイメージの弧ではなかった。悔しさがこみ上げた。
練習場では飛距離が280~290ヤードというドライバーショット。しかし試合では260ヤードも飛ばなくなるという。不安なドライバー問題を抱える中で「ショットがまっすぐいかない分、アプローチやパターは格段に精度が上がった」と岡茂は言う。ピンチの場面ではショートゲームに救われ、スコアが大きく乱れることはなかった。
シニアオープン2位という結果に「いい経験が得られました」と肩の荷を下ろしたが、次の課題はやはりドライバーショット。「試合でドライバーをしっかり打てるようになりたい。だから練習を重ねるしかない」。 賞金ランキングも4位に浮上し来年のシード権もほぼ確定したが、岡茂はショットへのこだわりを持ち続けてイップスを克服し、さらに上のステージを目指し続ける。