第30回日本シニアオープンゴルフ選手権(JGA主催)の第2ラウンド。寺西明(54)が通算6アンダーで首位をキープ。5打差の2位タイに藤田寛之(51)、岡茂洋雄(51)。さらに4位タイには鈴木亨(54)、深堀圭一郎(51)、秋葉真一(55)が並ぶ。決勝ラウンドには150ストローク10オーバーまでの58位タイ69名が進出した。
第1ラウンドでは唯一ボギーがなかった寺西。迎えた大会2日目。アウトコースからのスタートホールでは、ティーショットが左ラフへ。セカンドショットはグリーンを外し、アプローチを1メートル弱に寄せたが、パーパットが入らずボギーが先行した。
2日目にして初めてのボギーに「耐える一日かな」と気持ちが引き締まった。そこから10番まではしぶとくパーを拾っていく展開となった。好調なアプローチと、これまでに何度も鳴尾を回っている経験を積み重ねてきたからこそ、ボギー発進となった一日を耐えることができた。
奥から下りの3メートルのスライスラインをねじ込み、11番でようやく初バーディーを奪う。「値千金のバーディーで、何よりも良い薬になった」。思っていたパッティングのタッチで打てたので「イメージが間違っていないことを再確認できた」と自信に変わった。パーセーブ耐久戦の後だけに「10ホールも耐えるプレーだったから、ちょっと冒険してみようか」という楽しい気持ちも芽生え始めた。
2位との差については「5打差のリードは関係ない。自分のゴルフをさせてくれないのが鳴尾ゴルフ倶楽部。少しのミスが大きなペナルティー」と油断を許さない。ただ寺西にはアマチュア時代から関西地区の競技で、難しい鳴尾でプレーしてきた経験や回数を重ねた練習ラウンドの経験値もある。「頭の中でも何度も何度もコースを思い返しています」と、鳴尾のイメージはいつも頭の中にある。
第2ラウンドを終えた時点で優勝へ一歩近づいた。それでも寺西は「ひたすらに耐えないといけないコース。それでも最後まで楽しみながら乗り越えれば、応援してくれている方々への感謝に変わる」と口元を引き締める。地元というアドバンテージがあり、誰よりも鳴尾の経験と情報量を合わせ持つ。決勝ラウンドの2日間も、ひたすら耐え忍び、毎日アンダーパーを目指して、日本タイトル獲得という夢に近づきたい。