6アンダー・5位タイから発進した加藤仁(60)が、スタートホールからの2連続バーディー奪取で、スコアボードを駆け上がる。6、9番ホールでのバーディーでさらにスコアを伸ばした。ハーフターンの際、半田晴久大会会長と遭遇した。「硬くなるんじゃないぞ!」と発破をかけられた。そのお陰もあってか10、11番ホールでもバーディーパットをねじ込むことができた。「半田会長に会うとスコアが伸びるから、会えるといいな」。そんな願いが叶って、通算12アンダーまでスコアを伸ばせたのだった。
しかし、12、14番ホールでボギーを叩く。いずれもグリーン上でのミス。3パットだった。「やっぱり慣れない位置(上位)に来て、守りに入ったんでしょうね、メンタル的に」と加藤は振り返った。それでも残りの4ホールはパーで切り抜け、通算10アンダー・6位タイでフィニッシュしてみせた。
ISPS所属の加藤にとっては、この大会のホストプロでもある。コロナ禍で急遽開催されることになったISPS HANDA コロナに喝!シニアトーナメントは、加藤にとって「砂漠でオアシス」だった。「日本プロシニアと日本シニアオープンの2試合ぐらいしか出場ができない状況でした。2試合も増えたのは本当に嬉しかったし、有難かった」。
感謝の恩返しとして、ホストプロとして好成績を残したい。「このコースはハマったら(何が起きるか)わからないから」。首位とは5打差だが、逆転優勝の可能性は残されている。「頑張ります!」。最終日は守らず、攻める。半田会長と再び会うのは表彰式の18番グリーン上だ。