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シニアツアー

【ISPS HANDA コロナに喝!・1R】第二の故郷・群馬で鈴木が会心ゴルフ首位

2020年08月21日

 今季PGAシニアツアー第2戦「プロゴルファー誕生100周年記念 ISPS HANDA コロナに喝! シニアトーナメント」の第1ラウンド。8アンダー首位に立ったのは、鈴木亨(54)。1打差2位に渡辺司(63)、秋葉真一(55)、寺西明(54)が並んでいる。

「ボンバー」と異名を持つ鈴木亨が大会初日から、爆発ゴルフを展開した。8バーディー・ノーボギー64のベストスコアを叩き出し、8アンダー単独首位に立ったのだ。

「完璧なゴルフではありませんでしたが、いいところでミドルパットが決まってくれましたし、パーパットも入ってくれてノーボギーでした」。そう前置きしてから、会心ゴルフの本当の理由を話し始めた。

「実は、ここ群馬は第二の故郷なんですよ。(大学卒業にプロ転向して)下秋間カントリークラブに所属していたので、92年の日本プロゴルフ選手権が開催された時はキャディーマスターをしていました。開催コースのプロが一人、出場できたのですが、エレラルド・エレラがその出場権を手にしたからです(苦笑)。4年ほど在籍していました」。

 ツアープロ生活のスタートを切った地が群馬県だったという経緯を明かしたのだ。

 さらにコロナ禍での自粛中は体調を崩していたことも吐露した。体調を崩して体を動かせず、体重は5キロもアップした体を絞り込み、体重を5キロ減らした。そして練習場でボールを打ち、自宅のトレーニングルームで1時間半ほどエアロバイクを漕ぐ生活を送ったそうだ。シニアツアー開幕戦前からラウンドをこなし始めたものの「たぶん一番ラウンド数の少ないプロゴルファーかもしれません」というほどだった。

「試合がないとラウンドしたい、という気持ちにならないですね。開幕戦後、登別での試合もあり、試合の感じを思い出せました」。

 今大会後、来週はツアー第3戦が行われることから、本来の実戦の感を取り戻し、成績に出して行きたい。そんな思いを抱いてのラウンドでビッグスコアのマークは、十二分の手応えだ。「この試合は予選落ちもあるので…」と気を引き締める。

「ショットは好調時よりもまだまだですけど、決めなければならないところで決められたし、多少ミスしてもそこは補えるホールでのミスだったので助かりました」。

 ノーボギーゴルフにもピンチはあった。「13番パー5でティーショットをちょっと右方向へ打ってしまい、そこから強引に(グリーンを)狙いに行ったら、ガシャガシャと木の枝葉に当たってしまい、一旦出しての4打目は70ヤードぐらい。それをOKの距離に着けてのパーでした」と鈴木。ボギー回避後の16番アP-4でバーディーを上積みして、「8アンダー」の爆発スコアを作り上げたのだ。

 十八番の爆発ゴルフを最終日ではなく、初日に披露した鈴木。優勝スコア設定が通算16アンダーだと耳にしての8アンダー。残り2日で8安打をマークしたなら、到達できる計算になる。「(取り囲んだ記者の)みなさんもそう思うでしょ(笑)。でも一つボギー打ってしまうとバーディー一つが消えてしまうんですよ。とにかく僕のゴルフをやればいいだけです。どっちに転がっても僕のゴルフなので」と鈴木は笑って見せた。だが、その目だけは笑ってはいなかった。優勝にターゲットを絞り込んだ鋭い目に変わっていた。

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)