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シニアツアー

【ISPS HANDA コロナに喝!・1R】飯合はシニアトーナメントで初のホールインワン達成

2020年08月21日

 17番ホール、204ヤードのパー3。オナーの清水洋一は、風向きを右からのアゲンストだと読んだ。5番アイアンを選択した。ボールは風に押され。グリーン手前に落ちたものの、上手く転がりピン奥1・5メートルに止まってくれた。

 そのショットを見て、飯合肇はロフト22度の4番ユーティリティーを選択したのだった。

 練習ラウンド、大会前日のプロアマ大会でラウンドし、「エージシュート達成できるかも知れない」という手応えを66歳の飯合肇は覚えた。だが、決して甘く見たわけではない。だが、第1ラウンドの1番パー5ホールからスタートした飯合はティーショットを右林に打ち込んでしまった。リカバリーショットは前方の木に当たり、ボールは元の位置近くに戻って来た。悪夢を再現しているようにさえ思った。ようやくグリーンに辿り着き、カップインさせるまでに7打を費やした。トリプルボギーでのスタート。「どこか油断があったんだと思う。焦っちゃったよ」。飯合は、そう振り返った。同組の同伴競技者たちは2打で乗せ、バーディーを確実に奪取している。バーディーとトリプルボギー。1ホール目にして4打のビハインドとなった。

 しかし、2番、3番のパー4ホールで2打目をいずれもピンに絡め、イージーバーディー。9番パー4ホールではワンピン距離のバーディーパットをねじ込み、前半でスコアをパープレーに戻した。

 ハーフターン後の11番パー5でバーディー奪取。アンダーパースコアの世界に入る。1アンダーで迎えての17番パー3ホール。飯合の放ったティーショットを見て、同組の清水も東聡も「ピンを差している」、「いいんじゃない!」と思わず口にした。17番グリーン周りにいたギャラリーが歓声を上げる。東がそれを聞いてすぐに距離計測器でピン周りを見た。ボールが見当たらない。ギャラリーの盛り上がり様からしてホールインワンだ。飯合はティーイングエリアで同伴競技者らとエアタッチ。グリーンに上がり、カップを覗くとボールが入っていた。拍手するギャラリーに向かって、そのボールを放り投げた。最終ホールに向かおうとする飯合に、ボールを受け取ったギャラリーがサインを求めて来た。シニアツアーならではのアットホームなワンシーン。飯合は快くサインする。

 この日のラウンドを1イーグル・4バーディー・1トリプルボギー69のスコアに飯合はしっかりまとめ上げ、ホストプロの務めを果たしたのだった。

「久々にご褒美が出た感じだね。なにせトリプルボギー発進で、最後にホールインワンだよ。シニアツアーでは記憶にないし、(シニア入り後の)プライベートラウンドでもないんだから。スタートホールでの出遅れを挽回したご褒美だね」。流れ落ちる汗を拭きながら、飯合はホールインワンを素直に喜んでいた。もちろん、明日のスタートホールは、集中力を高めて臨む。