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シニアツアー

【ISPS HANDA コロナに喝!・前日】群馬県出身のシニア鉄人室田に気負いはない

2020年08月20日

 シニア賞金王タイトルを4回奪取。シニアツアー通算20勝を飾った「シニアの鉄人」こと室田淳が、プロアマ大会を終えてクラブハウスで呟いた。「蒸し暑くないから、涼しく感じるね」。今季2戦目となった大会舞台は群馬県の赤城ゴルフ倶楽部。標高600メートルに位置することから体感気温も違って来る。

 群馬県太田市の出身だけに「地元開催大会」と気合いが入っていそうだが、「大学に進んでからゴルフを始めたし、千葉県でゴルフを覚えたから群馬県のコースは、ほとんど知らないんだよ。だから、地元開催の意識は薄いかな」。室田に気負いはない。

 新型コロナ感染拡大の影響を考慮し、毎週日曜日にホームコースでラウンドするだけで、ステイホームに徹した。「感染したらヤバイ年齢だからね。先月はシニア開幕戦があったからゴルフの回数はさすがに増えたけど、ちょっと厄介なこともあってね」。

 背中に違和感を覚え始めていた。検査を受けると違和感の源はピンポン球くらいの大きさのガングリオン(腫瘤)だったものの、切れて化膿したことから開幕戦最終日の翌日に手術したのだった。その後は、療養と涼しさを求めて北海道へ渡り、2戦目開催の前週に帰京した。「試合もゴルフ(ラウンド)も、以前のようにはやっていないから、調子がどうのこうもない。出身県で優勝出来たら、嬉しさも半端じゃない。頑張るだけ頑張るよ。期待しててよ」。

 自らを奮い立たせるようにそう話したシニアの鉄人。最後にあえて尋ねた。プロゴルファーにとって、コロナ禍とは--「初心に還るってことだと思う」と室田。試合が開催されることを喜ぶだけでなく感謝し、その恩返しとして一打でも良いプレーをギャラリーに披露する。プロフェッショナルの流儀。最高の恩返しは、優勝ですね、鉄人?

(PGAオフィシャルライター 伝昌夫)