柳沢伸祐(54)は、1イーグル、6バーディーの8アンダー64の好スコアをマークして首位に立った。濃霧のため、12時10分から1時間28分の中断をはさんで行われた。柳沢は10番パー5で第2打を1メートルにつけてイーグルを奪うなど、シニア3勝目に王手をかけた。1打差2位に河村雅之(53)がつけ、3打差3位に篠崎紀夫(50)が追走している。注目の谷口徹(52)が4打差4位グループ、シニアデビュー戦の佐藤信人(50)はイーブンパー72で32位のスタートになった。
柳沢の第一声。「楽しかったねえー」と破顔した。「だって、一番うまいやつと回ったんだから。ゴルフって、うまい人と回ると楽しいんだよね」。スコアのことよりも、谷口と一緒に回ったことの方を楽しんだ様子だ。「ちょっとしたトラブルショットがめちゃめちゃうまい。こんな斜面とか、練習場の平らなところでは練習できないような場面は、さすがだったね」と、すっかり「谷口ウオッチャー」になっていた。
自分のゴルフは?「うん、ノーボギーがよかった。上出来でしたよ。だって、開幕戦で爆発した、っていえるスコアだったんだから」と笑う。1番で第2打をミスしてバンカーに入れたが、そこから25ヤードほどのバンカーショットが2メートルに寄り、バーディー発進したことが大きかった。2、5番ではOKバーディーと波に乗った。8番でも50センチにつけて前半4バーディーを奪った。
インに入った10番パー5(515ヤード)、第2打残り191ヤードを6番アイアンで打って「こんなもん。1メートルぐらいかな」と手を広げてみせた。イーグルを奪い、続く11番1.5メートル、12番7メートルと、ショット、パットがかみ合った。13番以降「下りのパットになって、打てなくなってきて」と沈黙したが、12番までの8アンダーの貯金は大きかった。
思い出の大会でもある。2017年に初優勝したのが、秋に行われていたこの大会。今季は開催予定ではなかった。「半田会長が今の状況の中でトーナメントをつくってくれて、感謝しています」という。
コロナ禍の自粛期間は「真面目に家にいた。好きなランニングも、荒い息が飛沫になるんじゃないかと思ってやめたら、5キロ太ってしまった」という。それでも開幕戦に備えて、前週は加瀬秀樹と合宿も行い、調整してきたのが功を奏した。
シニア3勝目に向けた最終日。「同じように回れたら一番なんだけどね。ドライバー打って…ショットで押したいね。早めに二けたにして、いくつ伸ばせるか。今日の霧みたいに、天気が悪くならないことだけです」。体重が2、3キロ減るような、厳しいゴルフをしたい。
(オフィシャルライター・赤坂厚)