2020年シニアツアーがいよいよ開幕する。「ISPS HANDA コロナに喝!! シニアトーナメント」が30日、静岡・朝霧カントリークラブで第1ラウンドを迎える。新型コロナウイルス感染拡大で大幅に日程が変更された今季、選手にとっては3カ月遅れの待望の初戦。日本プロはじめレギュラーツアー9勝を挙げている佐藤信人(50)がシニアデビューを飾る。
「不安が90%。結果がどうあれ、試合が終わった時に楽しかったと思えたらいいんです」。大会前日、佐藤はちょっと緊張気味の面持ち。前日、練習ラウンドしたのが、伊澤利光、深堀圭一郎、塚田好宣で「自信をなくして終わったので」と苦笑い。大会前日、シニアルーキー恒例の「あいさつ回り」は、マスク姿で遠目から確認しにくいこともあってまだ半分も消化できていないという。
2014年にチャンレンジツアーに出たのを最後に「引退したんです」と、試合には出ていなかった。ゴルフも月イチ。「プロと回るのも久しぶり」という。この6年はゴルフ解説を中心に活動してきた。
「レギュラーの最後の方は、パッティングから来るイップスから始まって一通りやりました。ゴルフをするも見るのも嫌になった、やめ方がよくなかった」と振り返る。シニアツアーの準備もしていなかったが「レギュラーで頑張ったご褒美で、1年間シニアツアーに出られると知って、いいスコア、いい成績のイメージはありませんが、今後シニアについて語る場面もあるかもしれないし、経験した方がいいと思った」。50歳になった今年、レギュラーツアー2勝以上の資格を行使してシニアデビューを決めた。
日本ゴルフツアー機構(JGTO)で、広報担当理事を務める。コロナ禍の影響で、レギュラーツアーはまだ国内開幕が見えない状況にある。「レギュラーの選手たちの試合がまだないのに、自分が選手として出ていいものか」とも悩んだ。シニアも開幕が遅れ「今年デビューできないかもしれない」と不安もよぎったという。
「緊張しているんですかね、昨日の夜は左足の親指がつってしまって。力が入っているんだなと思いましたね。右ひじや親指のけんしょう炎も痛む。神経が研ぎ澄まされてくると、今までプライベートのゴルフとかでは気にならなかった体の痛みも拾ってしまう」と肩をすくめたが、気持ちが入ってきている証でもある。
「最初の3ホールぐらいは緊張すると思います。緊張するとイップスが出るでしょう。出たら出たでしょうがないと思ってやりたい。2日間回れるので、あのショットはよかったとか、ポジティブになれる材料があることに期待しています」。また1人、レギュラーツアーを沸かせた選手がシニアの舞台に立つ。
※最後の写真は、先輩・伊澤利光プロにいじられて談笑する様子
(PGAオフィシャルライター 赤坂厚)