2020年最終プロテスト合格者が出場する「第22回日本プロゴルフ新人選手権大会富士可児カップ」が、岐阜にある富士カントリー可児クラブ可児ゴルフ場志野コース(7,117ヤード、パー72)で、12月24日、25日の2日間開催される。賞金総額500万円で優勝者には100万円と来年7月に日光カンツリー倶楽部で行われる「日本プロゴルフ選手権大会」への出場権が与えられる。
福岡の玄海ゴルフクラブで11月に行われた最終プロテスト、そして先週5日間受講した掛川での入会セミナーを経て、今週ようやく新人戦の開催を迎える。出場メンバーには、2014年日本アマチャンピオンの小木曽喬や、2019年日本オープンローアマタイトルを獲得している桂川有人、今季最年少合格した17歳の石塚祥利、2019年日本学生に優勝した砂川公佑といった47名の選手が出場する。
会場となる富士カントリー可児コース可児ゴルフ場志野コースは1972年11月に開場。広大な敷地に可児・美濃コースを合わせて81ホールを持ち、この地域では古い歴史を誇る。志野コースは、2014年からAbemaツアー(旧チャレンジツアー)を5年間開催。例年地区のプロトーナメント開催や、2024年の「第91回日本プロゴルフ選手権大会」開催が決定しており、チャンピオンシップコースとしての高いクオリティーを誇る。冬の時期ならではの難しいコースコンディションだが、手がかじかむ日没ギリギリまで、選手は練習に集中して大会に備えた。
大会コースから自宅まで車で10分ほどの距離に自宅があるという岐阜県出身の大内智文(24)は、今年の資格認定プロテストを初めての挑戦で合格した。中部学院大学でゴルフ部に所属し、2018年のJGTファイナルQTでは131位タイだったが、2019年はAbemaツアーに参戦し、34位という成績でシーズンを終えている。今年はプロテスト合格を目標とした挑戦の年となった。「2次プロテストは、試合より緊張しました。予選通過枠が10人くらいだったということで、毎日必死に戦いました。応援してくれている人のことを思うと、テストで下手な成績は残したくないという気持ちでした。だけど最終プロテストは、なぜか合格するイメージしかなかったんです(笑)」と振り返る。
大内は自分のプレースタイルを「自分のペースで、普段の練習とイメージを変えない」ことだと分析する。今年もJGTファイナルQTには出場したが、初日にスコアを崩してしまい、最終まで駒を進めることができなかった。「プロとして少しでも成績を極めていきたいのですが、今年は自分の気持ちを切り替えられずにズルズルとミスを引きずってしまったことが原因でした。ミスも人のことも気にしないこと。試合になると普段とは違う景色が見えるので、ミスが出たときこそ気持ちを切り捨てて、いかに普段のプレーに戻るかが、これからの課題です。それと、ゴルフは運が3割だと思っているので、そのあたりも割り切りながら、自分のゴルフに集中したいです」。普段のプレースタイルが出せれば、おのずと結果はついてくる。大内は自分の足元だけを見つめられれば、地元に大きな錦を飾ることができるだろう。
中部地区で一緒に研鑽を積み、今回同期合格となった安富慎(25)は、大内の先輩でもあり、戦いを楽しみにしているライバルでもある。二人の目標は、もちろん「優勝」。練習ラウンド後も練習を重ね、新人戦タイトル獲得に照準を合わせていたのだった。