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シニアツアー

【シニア最終予選/FR】トップ10の座をかけたリンクスへの挑戦

2021年03月05日

 シニアツアー最終予選は、上位10位までの選手がシニアツアー出場順位を優先的に獲得することができる。ランキング11位以降は、有資格者の欠場や出場人数の規模に応じて、資格が発生することになる。2位の座を射止めたニュージーランド出身のデービッド・スメイル(50)。最終ラウンドは、前半3パットをするシーンが多かったが、最後は70ストロークと安定した内容でまとめ、通算3アンダーでフィニッシュ。スメイルは昨年11月に資格認定プロテストに挑戦したが、合格ラインには1打届かなかった。その後、12月のシニアツアー1次予選会に参加し見事クオリファイ。今回最終予選でトップ10入りを果たし、日本シニアツアーへ参戦することが叶ったのだった。

 通算2アンダー、4位に入った奥田靖己(60・ユニテックス)。第2ラウンドから我慢のプレーを続け、最終日は71ストローク、この2日間はなんとボギーフリー。奥田にとっては大好きな風が吹き抜くリンクスコースが舞台だったこともあり、連日安定したスコアでトップ10入りを果たした。「イギリスのリンクスコースを思い出しながら、この予選会を乗り切りました。今年も選手一丸となって魅力あるシニアツアーを魅せていきたい」と、笑顔をみせた。

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 最終ラウンドを6位でスタートした南崎次郎(51・きみさらずGL)は最終ラウンドはオーバーパーの74ストローク。ホールアウト後不安な気持ちでアテスト場に入ってきたが、全体のスコアが伸び悩んでいることを知り、総合成績では6位であることが分かった。「トップ10入りだ!」と喜びを爆発させた。

 昨年挑戦したシニアツアー最終予選会では59位。シニアデビュー戦となった「プロゴルファー100周年 ISPS HANDA コロナに喝!シニアトーナメント」では堂々の13位フィニッシュで終え、シニアツアーの手ごたえを掴んだ。しかし2戦目の日本プロシニアでは予選通過は果たしたものの57位で終わり、悔しさが溢れた。その時から「最終予選会でトップ10入り」という目標を定めた。以来、所属コースのきみさらずゴルフリンクスでの練習にたくさんの時間を費やしてきた。

 「目標としていた試合だったので、こうやって成績がついてきたことが本当に嬉しいです。所属コースのきみさらずには本当に感謝しています」と嬉しさをにじませた。「念願のシニアツアーフル参戦です。今年、来年と息長く活躍できる選手になりたい」。南崎のシニア2年目という新しい年がスタートすることになる。

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 トップ10入りした選手の中には、今年50歳を迎える2名の選手がいる。その一人、9位フィニッシュした井殿康和(49・GOLF WING)が予選会までの生活を振り返った。「2年前から兵庫県宝塚市のゴルフスクールでヘッドコーチの仕事に携わっていて、毎日やるべきことがたくさんある。レッスンがメイン業務なので、ラウンドがなかなかできない中で、最終予選会へ挑戦しました。これまでに築き上げた地道な練習や、支えてくれている人の想いが、こうして成績に結実しました」と嬉しさを隠しきれない様子。

 「4バーディー3ボギーという内容で、最終ラウンドは落ち着かないプレーでしたが、同組だった奥田プロやスメイルプロというベテラン選手の姿から、悪天候でもプレーのペースを崩すことなく、絶妙な技を使い分けたりと多くのことを学ばせていただきました。勉強になる最終予選会でした」。井殿にとってベテランプロとの貴重なラウンド経験が、5月1日誕生日後、シニアツアーに向けた大きな力になるだろう。

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 また第2ラウンド終了時に3オーバー37位だった羽川豊(59・IPOC)は、5バーディー2ボギーとしてこの日唯一60台のスコアを叩き出した。シニアツアーで62ストローク(2013年ファンケルクラシック最終日)を出したこともある羽川は、最後まで粘り強く戦い、その結果がトップ10入りとなったのだった。「厳しい寒さだったから、さすがにニット帽とタイツを装着しましたよ(笑)。強い風にも見舞われたけど、寒さに気を取られることなく、集中してプレーができました。パッティングもよく決まってくれた」と話す。爆発力のあるベテランプロが、若い世代に負けじと実力の差を見せつけてくれた。