シニアツアーの出場優先順位を決定する「2021PGAシニアツアー最終予選会」の最終ラウンドが3月5日、岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(パー72、6,838ヤード)で行われた。首位スタートの冨永浩(60・フジプリグループ)は、強風の中で74ストロークと2つスコアを落としたが、通算5アンダーとして今年の最終予選会トップ通過を果たした。2打差2位にはレギュラーツアー5勝を挙げているニュージランド出身のデービッド・スメイル(50)。同スコアで3位に鹿志村光一(51・K’s GOLF LOUNGE)が続く。最終ラウンドで唯一60台をマークした羽川豊(63・IPOC)が第2ラウンド37位から8位へと順位をあげ、トップ10入りした。上位10位までの選手が、今年のシニアツアー出場有資格を獲得。ランキング11位以降は、出場有資格者の欠場や出場人数の規模に応じて、順番に権利が与えられる。
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最終予選会では3日間首位の座を譲らず、ベテランシニア選手が堂々のトップ通過を果たした。今年還暦を迎えたばかりの冨永だが、第1ラウンド67、第2ラウンドを70で回り、最終ラウンドは通算7アンダーからのスタート。朝からリンクス特有の強い風がコースを吹き抜け、選手のコースマネジメントを悩ませる。体感温度は10℃を下回り、手もかじかむ寒さだった。
冨永はショットの調子が良かったので、ミスが出てもどこかでカバーできるマネジメントだったが、前半7、8番を連続ボギーでスコアを落とすと、9番でダブルボギー。バックナインに入る前に「焦りはしなかったですが、そこで冷静になろうと、気持ちを落ち着かせられました」と振り返る。どうにかこれ以上スコアを落とさないようにと我慢のプレーを続け、14番パー3ではグリーンカラーからチップインバーディー。それまで張りつめていた緊張もようやく解けたようだった。54ホールを駆け抜けて、終わってみればこの日は74ストローク、通算5アンダーと60歳がシニアツアーでの経験と実力を示したのだった。
「本当に嬉しいです。だけど、これからが本当の意味でのスタート。今年の一試合一試合、より大事にして過ごしていきたい」。冨永が話す目標は、今年シニアツアーの新しい魅力を引き出してくれるものに違いないだろう。