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グランドゴールド

<関西グランド・ゴールド/FR>グランドは倉本昌弘が連覇、ゴールドは中村彰男が初優勝

2021年05月19日

 広島ゴルフ倶楽部鈴が峰コースで19日に行われた関西プロゴルフグランド・ゴールドシニア選手権大会の最終ラウンド。ゴールドシニアは2位スタートの中村彰男(69)が通算イーブンパーで初優勝。1打差の2位には中村通(70)、初日首位の秋富由利夫(70)は2打差の3位となった。グランドシニアは首位スタートの倉本昌弘(65)がベストスコアの66をマークし、通算11アンダーで2連覇を達成。2位には2打差で奥田靖己(61)、3位は通算4アンダーでG・マイヤー(59)が続いた。

 ゴールドシニアを制した中村彰男(69)の第一声は「良かったな。やっと勝てたな」。表情からも優勝の嬉しさが伝わってくる内容となった。

 「実は5年に狭心症を患って、手術したんですよ、そして2年前にも体調を崩して、大動脈弁閉鎖不全症と左心室肥大の診断を受けました。医者から重症と言われ、手術もできる状態でなく、薬治療を今も継続中なんです。幸い医者からゴルフはしても良いと言われました」と話してくれた。第一声で感じた嬉しさの度合いが大きかったのも納得できた。今日も迎えるにあたっても、「昨日も無事にゴルフできて、しかも優勝争いをできる位置でゴルフをできるなんて、久しぶりに物凄くワクワクしました」。

 前半1番、2番と連続ボギーにし、「まあ優勝争いをするとそんなものかなって」。4番でバーディーを取り返し、前半終了時に同じ組の昨日首位となった秋富と並んだ。

 

 「インコースに入っても、バーディーチャンスを決めきれなくて。15番ではセカンドをミスしちゃって、2メートルの難解ラインのパーパットが残ったんです。難しいこういうのが入ったら優勝出来のかなって考えながら打ったら、ナイスパーでした」。その時点で中村は、少し優勝できるかもしれないと意識したようだ。17番もパーをキープ、18番もパーとした。「グリーンサイドで見ていた仲間から中村通さんとプレーオフだぞ」と聞かされた。「通ちゃんとプレーオフができるなんて、またまた嬉しいなって思ってたんだけど、スコア提出所で、優勝と聞いて、悲しいような嬉しいようなでした(笑)」。

 みんなから祝福されて、本当に嬉しいそうにしている中村だったが、「いつまでゴルフができるかわからないし、この心臓がいつまで動くか、わからないけど、またみんな会うためにゴルフをやり、試合に来ますよ」。優勝という結果も嬉しいことだが、職業であるゴルフを続けていけることが一番の嬉しさなんだろう。

  

 グランドシニアで連覇を達成したのが倉本昌弘(65)。「今日はエージシュートを狙ってたので、ちょっと悔しいんです」。優勝したことよりもエージシュートの逃したことを、まず初めに話すのも、コースを知り尽くしているからこその言葉だったのだろう。

 「昨日からバーディーチャンスは多かったんだけど、今日の前半もなかなか決めきれず、後半の11番パー5でもバーディーを取れなくて、そこからスイッチが入りました」。次の12番をバーディーにすると、上り3ホールは3連続バーディーで追走する奥田靖己を寄せ付けない展開での優勝となった。

 中学3年生でクラブチャンピオンになり、このコースのわからない部分がない倉本にとって優勝しても当たり前だったかもしれない。「今年はグリーンが良い状態に仕上がっていたので、この状態になったら、より有利なるかもしれないと考えてて、でも難しい位置にホールロケーションだったので。攻め方だけは間違えないようにプレーしました」。

 日本プロゴルフ協会会長の立場として、「5月16日から広島県にも緊急事態宣言が発令された。ただ、選手や関係者には新型コロナウイルスPCR検査をしてもらっていること。野球やサッカーも同じ状況で実施しているので、ゴルフ場からも協力を頂き、無事実施でき終了することができたので、安心してます」。

 出場選手から開催してくれたことが嬉しいですよ。会長ありがとうという声もクラブハウスや練習場で聞こえてくる状況であった。「旧友たちの同窓会ではないですが、そんな意味合いも持っている大会なので、実施できてよかったです」。プレーが終われば、会員である出場選手にそして、ゴルフ場関係者に、お礼をする姿。倉本には休む時間も、練習をする時間も少ないと思うが、今までの経験と努力が優勝という形で付いてくることは間違えないのかもしれない。