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グランドゴールド

〈関東ゴールド/前日〉練習ラウンドは中止…それでも一年に一度、会える楽しみがある

2021年05月17日

  68歳以上のプロゴルファーが競う

関東プロゴルフゴールドシニア選手権大会

が、5月18日、19日の2日間、箱根湖畔ゴルフコース(6,280ヤード・パー72)で開催する。小林富士夫(76)、海老原清治(72)、小川清二(78)、矢部昭(74)、前年覇者の福沢孝秋(68)、初見充宣(68)といったベテラン選手が95名参加する。

 コースは箱根エリアの山間にある芦ノ湖のほとりに位置する。初夏は新緑がまぶしい季節だが、今週に入ると日本全国に梅雨前線がかかり、大会前日の17日は箱根湖畔に雨雲が立ち込め、練習ラウンドが中止になるほどの霧も発生した。

 60歳以上の「グランド」や68歳以上の「ゴールド」と年齢で区切られたPGA公式戦。一年に一度の大会で、練習ラウンドから旧知の仲間に会えることを楽しみに参加する選手が多い。なので、悪天候による練習ラウンド中止の知らせには落胆する姿もあったが、一方ではロビーで再会を喜んでいる様子もうかがえる。

 1997年スターツシニアや2010年日本ゴールドで優勝している小川清二(78)も、大会参加を楽しみにしている選手のひとり。出場するたびに、エージシュートを達成している大ベテランだ。17日は悪天候で練習ラウンドが出来ず、さぞかしストレスが溜まってるのではと聞いてみたところ「ゴルフは天気には逆らえないね。長くプロをやっていると、こういう日もあります」と笑顔をみせる。「だからこそ、楽しいことが発見できる。最近は新型コロナの影響もあってコースにも行かなかったし、庭いじりしかしてなかったから、久々に仲間に会えるだけでも嬉しいんだよね」。小川の周囲には、いつも笑い声が絶えない。

 東京出身の小川は、栃木県にある那須に住んで32年になるという。「那須はね、本当に景色が美しい場所なんですよ。素晴らしい自然がある。畑仕事もするし、薪割りもするし、毎日自給自足を楽しんでいますよ」と、ニコニコしながらスマートフォンを取り出した。「家の後ろにある那須連山の四季の色を見てごらん。ほら、美しいものを見ると元気になるでしょ」とスマートフォンで撮影した写真が、画面に次々と現れる。夢中で写真説明をしていたが「あ、でもね。写真ばかりじゃないよ。庭に2メートルくらいの練習用の鳥かごネットがあるからね、毎日150球くらいはショットしてます。だから、2メートルのゲームは抜群に上手い」と、もちろんゴルフも楽しんでいる生活を話してくれた。

 小川と同じテーブルで雑談を楽しんでいたのが、1982年日本オープン覇者で、2014年日本ゴールドシニアチャンピオンの矢部昭(74)。新型コロナ感染の影響を懸念して、小川同様に矢部も外出は極力控えているという。その代わり楽しんでいるのがDIY。「旅行もゴルフも出来ていないからね、自分の家で楽しめることをやってみた。そしたらね、バーベキューグリルとか玄関ポーチとか作って仕上げちゃって、うちの庭がどんどん豪華になっていくんだよ」と笑い、こちらはアートな趣味を楽しんでいる様子だ。

 最近のお気に入りは木製アート。「材木屋さんから、良さそうな素材を分けてもらうの。大きな流木だったけど『これは何かに変身させるぞ』と、ひらめいたのがお香立て。チェーンソーとかカンナで成形後、ニス塗って乾かしてとか、かなり時間がかかりましたよ」と、スマートフォンを取り出し、自慢の作品を見せてくれた。大人が抱えるほどの大きさで、一見するとインテリアショップで販売されているような出来栄えだ。

 「家にいるだけというのは、ひまじゃない(笑)。これも創意工夫を楽しんだからできた。ゴルフと一緒。なんでも同じではダメ。ゴルフも創意工夫しなきゃ、私たちのように、長く楽しめないよ」。矢部の言葉を聞いて、小川も大きくうなずいた。

 関東プロゴルフゴールドシニア選手権大会は18日、朝8時からスタート。新型コロナ感染症対策を取り、無観客で開催する。

 また、大会を開催するにあたっては、選手や関係者に新型コロナウイルスPCR検査の実施や、体調に不安がある場合の参加辞退のお願い、開催前2週間分、および大会期間中の検温及び行動歴の提出、来場時の体温測定、マスク着用等を行い、各種感染防止策を図っております。