寺西明(55)が、カップに直接飛び込むイーグルで波に乗った。5番パー5、第2打をグリーン右のバンカーに入れた。ピンまで28ヤードの3打目が「ダンクインしました」と、カップにダイレクトで入るイーグル。1、4番でバーディーを奪っており、5ホールで4つスコアを伸ばして6アンダーとし、一時トップに立った。
直後の6番でボギーにして勢いが止まった。それでも9番ではグリーン奥に外し、難しいアプローチを1メートルに寄せて「しぶといパターを入れてきました」と振り返るなど、風の中を粘った。16番で1メートルにつけ、17番ではピン手前8メートルを入れて連続バーディーと、耐えた分のご褒美が終盤に来た。
通算6アンダーでホールアウト。首位に1打差2位で最終ラウンドを迎える。2015年にアマチュアからシニアツアーを目指してプロテストに合格し、2017年に賞金シード権ギリギリの状況からシニア初優勝を果たした。昨年賞金王争いでは篠崎をこの大会で逆転、最終戦の金秀シニアで逃げ切って初の賞金王になった。「ここが大好きなんですよ。プロの第1歩になった場所ですし、思い入れもあります。パワースポットじゃないですけど、自分にとっては流れがある場所なんです」という。
優勝の意識は?「まずは優勝争いでドキドキしたいじゃないですか。それで結果、勝てればいい。あ、でも、今回は勝ちに来たんで、ブレずに、あきらめずにやりますよ」。いぶすきGCという場所が、寺西に力を与えているようだ。