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シニアツアー

【コスモヘルスカップ/FR】宮瀬は自身最終戦を3位 初優勝は来シーズンに持ち越し

2021年11月06日

 首位と4打差の通算3アンダー・7位タイからスタートした宮瀬博文が猛追を演じ、試合を盛り上げた。前半で4バーディーを奪い、後半の14番パー4ホールでこの日6つ目のバーディーパットをねじ込む。続く15番パー5ホールでは3打目をピン手前1メートルにピタリと着けて連続バーディー奪取し、通算10アンダーにスコアを伸ばし、ついに首位に並んだのだった。

 残り3ホール。16番パー4ホールのティーショットをフェアウエイセンターに運ぶ。グリーン左サイドのピンまで残り120ヤード。ピッチングウエッジで距離をコントロールするか、ロフト52度のアプローチウエッジでのフルショットでピンデッドに攻めるか。逡巡して宮瀬はピッチングウエッジを手にした。「ピン左サイドに大きなマウンドがあるので、それを利用してピンに絡めるショットを打つイメージを持ちました。そのためには足(ラン)を使いたいので、ピッチングウエッジでのコントロールショットがベターだと考えました。距離を抑えるつもりだったけれど、ボールを捕まえ過ぎてしまいましたね」。宮瀬が後悔した一打はグリーン左サイドにこぼれた。3打目のアプローチショットでも迷いが生じる。原因はボールのライだった。逆目。「(芽の抵抗に負けないように)パチンと強く打つか、それともやさしくフワッと打ち出すかと悩み、強く打ったのですがクラブヘッドが芝に突っ掛かった。打ち方が中途半端になってしまいました」。結果、寄らず入らずの痛恨のボギーを叩く。17番パー3ホール。ティーグラウンド脇の速報版で宮瀬は順位を確認した。その時点では1打差の2位だった。

 まだ追いつける。ティーショットでグリーンキャッチし、バーディーパットはカップ手前1メートルに止まった。(最終ホールでバーディーを取るしかない)。気持ちが次のホールへ向かっていたのかも知れない。集中力の欠けたパーパットは、カップを素通りした。痛恨の連続ボギー。宮瀬は一瞬、天を仰ぐ。タメ息が聞こえて来そうだった。

 最終ホールはパーに終わり、7バーディー・2ボギーの67。首位に1打及ばず、通算8アンダー3位で、プレーオフには加われなかった。

 

 「(シニアルーキーの)この一年は、勝ちたかった。でも、勝とうとするとどうしても空回りしてしまう。ホームラン(優勝)か三振(下位)かみたいなゴルフばかりしていたように思います。手堅さを持ち合わせなかった。今回も、優勝できなくても、せめて単独2位の終わるようにプレーしないといけない。上位でフィニッシュする考えが足りませんでした。このオフは77キロの体重を70キロに絞り込み、体もゴルフも整えて来ます!」。宮瀬は自分に言い聞かせるように力強くそう断言した。レギュラーツアーのラウンドリポーターを務めるため宮瀬は今季最終戦を欠場する。今大会が、自身にとって今季最終戦だったのだ。シニア初優勝は来季に持ち越しとなった。「開幕戦からガンガン行けるようにして来ますからね」。猛追を生かし切れなかった悔しさをオフのトレーニングにすべてぶつける覚悟だ。期待したい。