「
コスモヘルスカップ シニアトーナメント
」の第1ラウンド。小山内護(51)が7バーディーノーボギーの7アンダーで単独首位に立った。1打差2位には細川和彦(50)、2打差の3位5アンダーに田村尚之(57)が続く展開となった。
「一緒に練習ラウンドをさせてもらっていますが、ショットメーカーらしい相変わらずのショットを打っていました。パットはラインが読めて、打てているように見えましたね。そつのないプレーと言う表現がピッタリかな」。ホールアウト後、阿原久夫は同組の小山内護のプレーをそう話した。
7バーディー・ノーボギー、7アンダー65。小山内は自身の今季ベストスコアをマークして単独首位に立った。スコアカードの提出をする前も後もニコニコ顏が止まらない。口も滑らかだ。「何だか気持ち悪いよ。ヤバイよ。帰りに交通事故にでも遭うんじゃない? だってパット数が20台だよ。今季初なんだから。俺のパットのスタッツ見てみてよ。まったく酷いんだから」。
平均パット数1.8565。同部門ランキング59位の小山内は、この日は1ラウンド26パットを記録したのだ。インコースからスタートした小山内は10番パー5ホールでパーセーブに終わったものの、タッチが合っている好感触を得た。2番パー4ホールでワンピン距離のバーディーパットが決まる。好感触が自信へ変わり始める。
「だってさ、今までは同じワンピン距離から3パットすることもあったんだよ。それがバーディー!気持ちいいよね」。3番パー3ホールでも2メールを一発で沈めた。6、7番ホールでの連続バーディーで4アンダーにスコアを伸ばし、後半に入る。13番パー3ホールでワンピン距離をねじ込み、16、18番ホールでもバーディーパットが決まってくれた。バーディー大量生産でホールアウト。ノーボギーのプレーは実力だけではなかったと振り返る。
「16番ホールなんてティーショットが木に当たってしまったけれど林に入らず、ホールに戻って来てくれた。何とかパーオンできたけれど距離8メートルのバーディーパットだったかな。それが入っちゃうんだから、ヤバイでしょ、ホント。だって林に入ったり、3パットしたりならボギー、ダブルボギー必至だから、それだけでスコアがまったくちがっちゃうよね」。
今季ベストスコアをマークし、小山内節は止まらない。「グリーンが速いからラインさえ読み切れば、あとはタッチを合わせてボールをそのラインに乗せるだけ。打つ仕事をしなくても入ってくれるなんて最高だね。バーディーパットが決まらなくてもOKパーばっかりだったよ」。高速仕上げのグリーンとタッチとの合致に感謝しまくりながら、最後にこう締めくくった。「来季の賞金シードがまだ確定していないから、とにかく上位でフィニッシュしたい。それが優勝だったら最高だね。最終戦の会場に気持ち良く向かいたいよ」。この日のパット距離感が最終日18ホール持続したい。そう願っている小山内の顏が秋の日差しに照らされていた。
(オフィシャルライター 伝昌夫)