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シニアツアー

【コスモヘルスカップ/1R】3位田村 逆転への望みを繋いだグリーンブック!

2021年11月05日

 シニア賞金王タイトル奪取の可能性を持つ田村尚之が発奮プレーを展開した。6バーディー・1ボギー67で回り、首位と2打差の3位に着け、最終日の逆転優勝への望みをつないだ。

 

 今季はファンケルクラシックで5年ぶりの2勝目を飾り、賞金ランキング3位でシニアツアー残り2試合を迎えている。1勝を飾ることで逆転でのシニア賞金王タイトルも手にできるのだ。

「連戦で疲れていましたがケアを重ねて体調は良く、なんとか乗り切れている感じです。

今日は後半、パターが珍しく入ってくれたお陰です」。

 前日の練習ラウンドのことだった。前半は自分の目を頼りにパットラインを読んでいたが不調だったことから、ハーフターン時に売店でグリーン形状や芝目などが詳細に記されているグリーンブックを購入した。それを頼りにパットしてみると思いのほか良かったことから、試合でも即投入したのだという。「これまでは買っても帯同キャディさんに渡し、ピンポジも見てもらってパットを打っていました。今日、初めて試合でも自分でそのすべてをやってみたら、パットが入ってくれました」。乱視でラインが読みづらい。それを1万円で購入したグリーンブックが見事補ってくれたのだ。

 

 お金を払っての結果では決してない。乱視のハンデをカバーするためにパターヘッド上部にパットラインを示すラインを描いている。ラウンド後にはパット練習場でストレートラインを見つけ出し、そのライン上にゴム紐を張り、さらにパターヘッドに描いたラインをセット。パットライン、ゴム紐、パターヘッドのラインの3ラインがピッタリ重なるようにし、それがズレないようにストロークする。手先だけで打たず、胸面をしっかり動かしてストロークする練習器も愛用して、試合中はライン上にボールを真っ直ぐ打ち出せるパットドリルを続けている。その成果がようやく芽を出したのかも知れない。

 

 「逆転」での優勝とシニア賞金王タイトル奪取。「最終戦までに賞金王が決まったら面白くありませんよね。あともう一回優勝争いしてみたかったので…。すべては明日頑張れば、ですね」。田村の不断の努力と1万円の投資が、明日生かされるかに注目したい。