1カ月近くの療養生活からツアー復帰し、自ら快気祝いをするような会心ゴルフを展開したのは、スーパーシニアの部で単独首位に立った佐野修一(73)だ。
スタートして2番ホールから連続ボギーを叩く。「2ホールとも良いショットを打ったんだよ。だけど寄らず、パットは入らずの2ボギー。がっかりしちゃったんだよ」。気落ちして迎えた4番パー4ホールで1メートル、5番パー4ホールでは距離10メートルのバーディーパットを沈めて上機嫌となった。7番パー4ホールでチップイン・バーディーを奪うと、8番パー3ホールのティーショットではピンまで140ヤードをピッチングウェッジで打ち、1、5メートルに着けて連続バーディーとした。
後半に入ってもショットは切れまくったものの、パットを決め切れず、スコアをさらに一つ伸ばしただけだった。6バーディー・3ボギーの69でフィニッシュ。3アンダーの好スコアでエージシュートを達成し、単独首位発進に花を添えた。
「肺炎を患っちゃってさ。39度の熱が出て新型コロナに感染したかと検査を受けたけれど結果は陰性。レントゲン検査で肺炎だと分かった。でも、病院にはベッドの空きがない。自宅療養を強いられてね。お医者さんに往診してもらっては点滴を打つ日々を過ごしたんだよ」。深刻なコロナ禍の影響をモロに受けたのだ。医療崩壊の現実を体験した。
それだけに病から復帰し、ゴルフが出来ることへの感謝の気持ちは強まった。練習不足は否めないが、謙虚さが無駄な力みを取り除いてくれた感がある。「グリーンが少し軟らかくなって、ボールが止まってくれた。ほら、もともと腕があるから練習をしてなくてもそこそこのスコアを出せる素地があるからね。明日もエージシュート、そして優勝と行くよ」と佐野は大きな笑い声をあげた。いつもの元気◎の笑顔が眩しかった。健康一番、ゴルフも一番!ですね。
スーパーシニアの部【1R成績】