午後スタート、同組で回った桑原克典(52)、D・スメイル(51)が第2ラウンドを67ストロークで回り、通算6アンダー3位タイで明日からの決勝ラウンドに挑む。
前半はグリーンでのパッティングに「ネガティブな気持ちだったんです」とスメイル。桑原克典もスメイルのパッティングを「前半は打ててないから、カップに届かなくて辛そうでした」と振り返った。
スメイルは我慢のゴルフを続けて前半をイーブンパーと折り返す。ネガティブだった気持ちを、少しでも早く改善したいと思い、後半の9ホールで心をリセットした。ターン後の11番パー4でようやく2メートルのバーディーパットを決め、第2ラウンドで1つスコアを伸ばした。だんだん気持ちもポジティブになってきて、13番、16番でもバーディー。そして最終18番ロングホールの2打目はグリーン手前のバンカーへ。アプローチを1メートルに寄せてバーディーフィニッシュ。第2ラウンドは4バーディーボギーフリーとして、通算6アンダー3位タイにジャンプアップした。
日本ツアーで5勝の実績を持つスメイルは、2016年にシード権を失った。50歳までの間にニュージーランドのローカルツアーに参戦して、日本シニアツアー出場に向けて技術感を磨いていたという。今年3月のシニアツアー最終予選会で2位に入り、開幕戦からシニアツアーに参戦している。「日本シニアツアーで早く勝ちたい気持ちです。でも今年はパッティングの調子が良くなくて、早く修正したいと思っています」。今シーズンはISPS HANDA楽しく面白いシニアで2位タイなど、これまでのところトップ10入りは3回。3週間前に日本PGA資格認定プロテストにも合格したばかり。2002年の日本オープン覇者はシニアオープンのタイトルを手中に収めたい思いは募るばかりだ。
スメイルとは対照的に前半4つの伸ばしたのが、桑原克典(52)。2番、3番で連続バーディー。6番では上の段から25メートルあるロングパットを決めて3つ目のバーディー。7番で80ヤードのセカンドショットを1メートルに寄せてバーディー奪取とスコアを伸ばす。9番ホール終了時点でリーダーズボードを見た。「先週のコマツオープン最終日を一緒にプレーした手嶋多一さんが8アンダーというのがわかって、また一緒にやりたいと思いました」。同世代が上位にいるのがわかり、後半バックナインに向けて刺激を受けた。
後半インコースは、アウトコースよりも標高の高いところにあり、グリーンの芝目もきつくなる。「10番から14番までは自分のショットが上手くいかなかった部分もありますが、傾斜にプラスして、グリーンの芝目が3回ぐらいクロスするラインでした」。難しいグリーンでも13番までなんとかパーで凌いだが、14番パー3では3パットでボギー。15番以降もバーディーがなかなか奪えない展開に苦しめられた。迎えた最終18番パー5ではセカンドをレイアップし、3打目を3メートルにつけバーディーフィニッシュ。決勝ラウンドは3位と好スタートを切ることになる。
多くの選手が「グリーンが読めない」と苦しむ中で、「僕もグリーンは読めてないです。だけど傾斜、そして芝目はしっかり見ている」と言う。真上から芝目を見れば、はっきりとわかる芝の傾きがヴィンテージゴルフ倶楽部の特徴である。桑原はパッティングの調子は良く「思ったところには打てる自信があるので、助かってる部分はある」。調子の良い部分に流れを任すことで、2日目を終えて3位タイのポジションを獲得したのだった。「自分の調子は上向きなので、上位で戦えることを期待しているけど、プレッシャーの中で自分のゴルフがどうなるか、正直わからないです」と、本音も吐露する。日に日にかかるプレッシャーも感じながらも、信念を守り通し、シニアツアー3年目で大きなタイトルをつかみたい。