第2ラウンドは通算7アンダーでフィッシュし単独2位に浮上した飯島宏明(50)。17番でバーディーを奪い、9アンダーまでスコアを伸ばし、その時点で首位に立っていた。「18番パー5ホールは2オンを狙っていったのでしょうがないです」。飯島はリスクを背負ったチャレンジでのミスに、潔く自分の決断を受け入れていた。
1番ホールからスタートし、2番、3番で連続バーディー。6番ではボギーとしたが、7番でバーディーを奪いバウンスバックに成功。8番パー3ホールではグリーンを外したが、10メートルをチップイン。「前半からショットも良く、パッティングもうまく決まってくれました」。
後半は11番でバーディーを奪うも、12番パー4では3パットのボギー。そして16番、17番で連続バーディーを奪い、最終18番ロングホールで「もう一つ取ろうと思い、セカンドで2オンを狙ったんです」と欲があった。少しダフったというショットは岩垣内のレッドペナルティーエリアに飛んだ。1打罰で救済し、結果5オン2パットでダブルボギーに終わった。
「ティーショットも良く、ラフにもいくこともなく。ここ数試合、ショットの調子も良いんです」。先週のコマツオープンもシーズンベストとなる8位タイでフィニッシュしている。「もっと早くトップ10に入りたかったんですが、やっとという感じです」。8月のファンケルクラシックで後輩の真野佳晃プロにキャディーをしてもらった。ラウンドをしている中で、「先輩!トップでの切り替しが早いですよ」と今まで気づかなかったことを指摘された。このアドバイスが好調な理由のひとつである。
飯島は思っているよりも打ち急いでいたことに気づかされ、それから修正に励んだ。「今はトップで一呼吸してからダウンスイングに入るイメージでスイングするようにしています」。真野プロとはレギュラー時代に一緒に行動し、練習ラウンドや食事など気の知れた仲だという。飯島をよく知る仲間からの言葉は、ショットに安定感を生み出した。
もう一つ好調な要因もあるという。今週から東京オリンピック銀メダリストの稲見萌寧プロが使用している“テーラーメイド トラス TB1 トラスヒール パター”を使用している。「以前にもらって封印していたんですが、今週思い切って使ったら、フィーリングがとてもいいんです」。JLPGAツアーで賞金ランク1位を独走している稲見の使用モデルも、今週の飯島には味方になっているようだ。
シニアオープン2日目を終了して2位で決勝ラウンドを迎える飯島を支えているのが、「真野プロのアドバイス」と「パターのマッチング」。決勝ラウンドもいい流れにのり、シニアルーキーとして優勝を目指したい。